2010年7月参院選投票先検討時の参考情報源について

 前回の報告では、2010年7月の参院選における、投票時期と投票先の検討期間について紹介した。第2回となる本稿では、有権者が投票先を検討する際、どの情報を参考にしているのか、ということについて紹介する。

投票先検討時の参考情報源は新聞

 まず、全国の20歳から79歳までの個人(n=1,125)を対象とした調査の結果で、投票先検討時の参考情報源を見ると、比例区、選挙区ともに「新聞」と回答した人が最も多く、以下「テレビ」「家族・知人などの話」と続く(グラフ1)。比例区と選挙区では同じ傾向が見られるが、特に選挙区では、「新聞」を参考にしたという人は62.0%で、比例区の51.2%を上回っている。

インターネットで最も参考にされているのは「新聞社ニュースサイト」

 続いて、参院選投票時にインターネットの情報を参考にしたと答えた人(n=165)に対し、最も参考にした情報は何かを尋ねたところ、4人に1人が「新聞社のニュースサイト」を挙げトップ、以下「テレビ局のニュースサイト」、「ヤフーのサイト」と続く(グラフ2)。

政党広告への接触有無と得票率の関係

 グラフ3は、東京30km圏内における朝日新聞購読者のモニターパネルを対象とした調査で、参院選の比例区の各政党の得票率を、過去の各政党の新聞広告接触の有無別で見たものである。
これによると、全体(n=368)でA党に投票した人の割合が17.1%であるのに対し、「A党の政党広告を見た」(『確かに見た』+『見たような気がする』)人(n=210)では22.4%、「政党広告を見た覚えがない」人(n=122)では8.2%と、政党広告を「見た」人と、「見た覚えがない」人で得票率に大きな差がある。同じく、B党でも「B党の政党広告を見た」人(n=220)のB党への投票率が10.5%に対し、「見た覚えがない」人(n=111)で2.7%、C党でも「C党の政党広告を見た」人(n=308)のC党への投票率が11.0%に対し、「見た覚えがない」人(n=46)で6.5%、D党でも「D党の政党広告を見た」人(n=199)のD党への投票率が12.1%に対し、「見た覚えがない人」(n=126)で5.6%となっている。
 このことから、政党広告への接触と得票率の間には、関連性があると考えられる。

■調査概要
・「2010年7月参院選に関する調査」
調査地域:全国/調査対象者:20~79歳の個人/抽出方法:住宅地図データベースから世帯を抽出し、個人を割り当て/調査方法:訪問留置法/回収数:1,125/調査期間:2010年7月28日~8月9日/調査企画:朝日新聞東京本社広告局/実査機関・レターヘッド:(株)日本リサーチセンター

・「参院選に関する調査」(朝日新聞購読者対象)
調査地域:東京30km圏内/調査対象者:20~69歳の朝日新聞購読者/抽出方法:エリアサンプリング/調査方法:インターネット調査/調査実施日:2010年6月27日・回収数210、2010年7月4日・回収数212/調査企画・設計:朝日新聞東京本社広告局/実査機関・レターヘッド:(株)マーケティングセンター