新聞読者とスポーツ観戦

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オリンピック・パラリンピックやワールドカップ、プロゴルフなどでメダルを獲ったり優勝したりすると、お祝い広告、いわゆる「セレブレーションアド」が新聞に掲載されることがしばしばあります。今回は、新聞読者のスポーツに対する関心の高さを、「するスポーツ」ではなく、「観るスポーツ」という切り口で探ってみました。また、スポーツに対する関心度と、新聞や新聞広告に対する評価の関係も探りました。

新聞購読者の4割がスポーツ観戦

  J-READでは、様々なジャンルのスポーツ観戦(テレビを含む)について「日頃よくするか」と尋ねている。

 「日頃よくする」と答えた人の割合を、新聞購読者と非購読者で集計した結果が図1である。新聞購読者が日頃よくするスポーツ観戦のトップ3は「日本のプロ野球」17. 8%、「大相撲」14.9%、「高校野球」13.2%となった。これらは非購読者との差も大きい。新聞購読者と非購読者を比較すると、新聞購読者の方がすべてのジャンルでスコアが高いことが分かる。

J-READ2017

 これらのスポーツ観戦のいずれかを「日頃よくする」と答えた人の割合(スポーツ観戦を日頃よくする 計)を計算してみると、新聞購読者では40.0%、非購読者では28.2%となり、10ポイント以上の差が開いた。新聞読者のスポーツに対する関心の高さ がうかがえる。

新聞に対する評価が高いスポーツ関心層

 では、スポーツへの関心の高さと新聞や新聞広告に対する評価の間にどのような関係があるだろうか。

 図1で算出したスポーツ観戦を日頃よくする人(スポーツ関心層)と、そうでない人で、新聞や新聞広告に対する評価(「あてはまる」+「まああてはまる」計)や新聞広告を見ての行動(ここ1年間)に違いがあるのか、比較したのが図2である(新聞購読者ベース)。

  「新聞を読んで世の中の動きを知る」「家族・友人・知人で話題になる」といった新聞に対する評価が、スポーツ観戦を日頃よくする人の方がそうでない人より高い。スポーツ関心層にとって、新聞が世の中の動きを知るための重要な情報源になっており、また話題にしていることが分かる。

スポーツ関心層に効く新聞広告

 「新聞広告で商品やサービスを知る」「新聞広告で企業等に改めて注目」といった新聞広告への評価を見ても、スポーツ観戦を日頃よくする人の方がそうでない人よりスコアが高い。新聞広告が、スポーツ関心層に対して、商品やサービスの認知や注目度を高める有効なメディアであることが分かる。

 また「広告を家族や友人と話題にした」についても、スポーツ観戦を日頃よくする人の方がそうでない人よりスコアが高い。新聞広告が情報源になって拡散していることが分かる。

 「観光地・レジャー施設に行った」「商品内容をインターネット等で調べた」といった新聞広告を見た後の行動を見てみると、スポーツ観戦を日頃よくする人の方がそうでない人よりスコアが高い。スポーツ関心層が新聞広告を活用している様子がうかがえる。

スポーツマーケティングに欠かせない新聞

 以上の結果から、スポーツ観戦という側面で見ても、新聞読者がスポーツに対して関心が高いことが分かった。また、スポーツへの関心が高い層は、新聞や新聞広告に対する評価も高く、新聞広告をよく活用している。新聞とスポーツの親和性の高さ が改めて浮き彫りになった。

 新聞が、優勝広告などのセレブレーションアドだけでなく、スポーツマーケティングの上でも欠かせないメディアであることを示せたのではないだろうか。

(朝日新聞東京本社 メディアビジネス局 マーケティング・ディレクター 真板 誠)


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調査概要

■第17回全国新聞総合調査(J-READ2017)
調査地域: 全国47都道府県
調査対象: 満15~69歳の個人
抽出方法: RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)で、調査対象者を抽出。2016年度調査対象者のうち次回以降調査可能な方から一部抽出
調査方法: 調査依頼への応諾者に後日郵送で調査票を送り、記入完了後、調査票を返送
有効回収数: 28,808
規正標本サイズ: 87,992(推計人口に対応。単位:千人)
調査時期:2017年10月15日(日)~ 10月21日(土)
調査主体: :ビデオリサーチ
※J-READ2017の標本サイズ(n数)はすべて規正標本サイズです


◆PDFでもご覧いただけます
icon_pdf冊子『広告朝日』20号掲載 Data&Analysis(164KB)