新聞社の地球環境への率先した取り組みに共鳴

 朝日新聞社は9月13・14日の2日間にわたり、内外の有識者を招いた「朝日地球環境フォーラム 2010」を東京で開催した。京セラソーラーコーポレーションは昨年に続いて特別協賛し、代表取締役専務の渕上巌氏が特別講演を行ったほか、採録紙面と連動した広告も掲載している。渕上氏に、フォーラムに注目する理由などを聞いた。

太陽光発電の現状と今後を展望

――初日の全体会議に続いて、2日目は、地球環境問題に関する多彩なテーマを設定、九つの分科会に分かれて討論しました。その一つ、「気候変動と闘う日本の戦略」では、渕上専務に特別講演もいただいています。昨年に続いて、特別協賛された理由はどこにあるのでしょうか。

渕上巌氏 渕上 巌氏

 昨年は「太陽光発電」がメーンテーマでしたから、これはまさに私どものフィールドでした。今回は「水・緑・太陽」とテーマも拡大し、地球環境問題を様々な角度から掘り下げようというもので、非常に有意義な内容でしたね。たとえば、安全保障上の観点からの議論も含めた水資源を巡る世界的な動向などは、CO2(二酸化炭素)削減とは別の角度から地球環境問題への視点が示され、大いに刺激を受けたところです。

 また、私の講演では、2020年までに温室効果ガスを25%削減するという日本が掲げた目標を達成するには、国としての具体的な政策が必要であることを訴えました。やはり、新聞社がこうしたフォーラムを主催し、広く発信していこうという姿勢は、社会的に大いに有益です。私どもは、そこに共鳴したわけです。

――その講演では、太陽光発電の現状と展望を話されていますね。

太陽電池パネルと冷蔵庫を背負ったラクダを引くドクター 太陽電池パネルと冷蔵庫を背負ったラクダを引くドクター

 現在、世界では16億の人々が電気のない生活をしていると言われています。その暮らしが、太陽電池パネル1枚で変わる。ラクダの背中に太陽電池パネルと小型の冷蔵庫を載せ、移動している写真を、その象徴的な事例として提示しました。実は、ラクダを引く人はドクターで、冷蔵庫にはワクチンが入っている。国内でも、住宅だけでなく、発電所のような大規模施設や、あるいは車に搭載するなど、用途は広がっています。

 日本の現状では住宅用が約8割を占めますが、2020年時点の太陽光発電量の国の試算では、住宅は全体の5割弱の約3,800万kWと見積もられています。1軒当たりに搭載する太陽電池の容量を平均3.8kWとして、1千万軒。ところが、これが現在は、70万軒程度に留まっています。ここで注目すべきは、05年度に打ち切られた補助制度が08年度の補正予算で再開されると、翌09年度の住宅用太陽光発電の導入件数が、2倍以上の伸びを示したことです。余剰電力の買い取り価格が倍になった効果もあるでしょう。
しかし、こうした施策はこれまで、その場その場の「つなぎ」でしかなく、太陽光発電の普及には、エネルギー政策の中できちんと位置付けた上で、国をはじめとする補助制度が必要であることは論をまちません。期待とともに強調したところです。

「紙」媒体ならではの保存性を評価

――朝日新聞社では、報道紙面はもちろん、今回の「朝日地球環境フォーラム 2010」など、地球環境問題を重点テーマとして位置づけています。新聞社のこうした取り組みを、どう評価されますか。

 社会に大きな影響力を与える新聞が率先して取り組んでこられているのは、私どものような地球環境問題に取り組む企業にとって、大きな意味があります。今回のフォーラムのような場は、議論の場として、また情報発信の場として、非常にいい機会となりますから。
ただそれだけに、せっかくの様々な議論が、紙上採録だけでは「もったいない」と思いますね。たとえば政策提言といった形にまとめるなど、活用していくべきではないでしょうか。

※画像は拡大します。

2010年9月2日付 朝刊 2010年9月2日付 朝刊

――太陽光発電の普及について、新聞広告も含めた今後の戦略を聞かせてください。

 実際問題として、CO2を増加させているのは家庭からの排出です。これを抑えるには、やはり太陽光発電が大きく貢献できるだろうと考えています。新築住宅はもちろんですが、はるかに大きな市場である既存住宅への普及が、大きなカギを握るでしょう。

 また、太陽光発電そのものに関しては、エンドユーザーの関心が高まり、広く認知されている一方で、「もっと具体的に知るにはどうしたらいいのか」「どこに行けば買えるのか」という問い合わせが増えている現状があります。そうしたニーズに応えるべく、一般のお客様への露出度を高める方向にシフトしています。全国に展開中の京セラソーラーフランチャイズ店を、11年3月末で150店舗、12年3月末には200店舗に拡大する計画もその一つです。

 広告展開でも、このようなニーズに応える必要がある。今回の全5段広告で、商品情報ではなく、一般のお客様にお近くの店舗をご案内できるよう全国のフランチャイズ店を列挙したのもその一環です。その点で新聞広告は、保存性のある「紙」媒体であることの効果は大きい。新聞に対する信頼度の高さもポイントですね。