反響の高い新聞広告は生活者とのコミュニケーションの場

 国民一人ひとりにかかわる医療について、積極的に情報を発信しているのが、社団法人日本医師会(日医)だ。常任理事の中川俊男氏にお話をうかがった。

日医の主張を正確に国民に届けたい

中川俊男氏 中川俊男氏

── 日本医師会が取り組まれている情報発信や、一般生活者とのコミュニケーションについてお聞かせください。

 本会は1997年に開設したホームページを中心に、広く一般の方にも情報公開、発信をしています。医療情報や健康情報とともに、医療政策の問題点を指摘し、それ中川俊男氏に対する日医の主張を正確に伝えることが目的です。新聞やテレビなどのメディアも活用しており、最近では7月15日付朝日新聞朝刊などに社会保障費の年2,200億円の削減に反対する意見広告を掲載しました。非常に反響が大きく、紙面で意見を募ったところ、100件を超えるファクスやメールが届きました。「そのとおりだ」「知らなかった」といった意見が多く、国民が切実な問題としてとらえていながら、正しい情報が十分に伝わっていないと改めて認識しました。同時に新聞広告の効果を実感しました。

7/15 朝刊 7/15 朝刊

── 情報発信の際に、心がけていることは。

 新聞やテレビなどのメディアでは連日、医療について報道されています。非常に丹念に現場取材をしている報道も多く、評価していますが、一方で、説明が不十分だったり誤解を招く内容だったりすることもあります。私たちは、そうしたマスコミの報道をチェックしながら、プライドを持って正しい情報を提供していくことが使命と考えています。また、定例記者会見や勉強会などを頻繁に行うことで、マスコミの記者と情報や認識を共有することも重要と考え、取り組んでいます。

── 新聞広告に期待することは。

 信頼のおけるメディアに、たとえば新聞の全面に意見広告を出せば、読者もまずは読んでみようという気になりますし、その情報に確信が持てるのではないでしょうか。実際、新聞広告の取り組みは非常に反響も影響力も大きく、日医内部や地方医師会などから「もっと増やすべきだ」という要望が出るほど、期待は高まっています。今後も繰り返し正しい情報を提供し続けることで、国民のみなさまの理解を得ていきたいと考えています。