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人気コミックの「お試し読み」を全4面の豪華版で

白泉社

 幼い頃に事故で家族を失い、天涯孤独となった17歳のプロ棋士・桐山零。一人で暮らす東京の下町で、ある3姉妹に出会い、少しずつ心を開いていく──。羽海野チカさん作の人気コミック『3月のライオン』の広告が、9月29日付朝日新聞夕刊の4面にわたって紙面を飾った。

アニメや実写映画を前にマンガの魅力をストレートにアピール

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2016年9月29日付 夕刊(11面) 2016年9月29日付 夕刊(11面)

 広告は、単行本最新刊12巻の発売に合わせて出稿。4面のうち3面に、1巻に収録の1、2話が「お試し読み」として丸ごと掲載された。

 「『とにかくこのマンガはすごい!』と、作品の本質的な魅力を改めて訴えたい。そのためには、マンガそのものを読んでいただくのが一番だと考えたのです」と、白泉社販売宣伝部宣伝課課長の川又弘之氏。新聞を使ったねらいについて次のように説明する。

 「作品やコミックにそもそも興味のある人は、ネットで検索したりスマホでマンガを読んだりと、アクセスしやすくなっています。しかし、出会い頭でピンときて、作品を好きになってもらう機会はあまりありません。購読者数の多い新聞なら、この『作品を知らない読者』の目に留まる可能性が高い。さらに、朝日新聞の読者層と、『3月のライオン』が描く将棋の世界は、マッチングとして非常に良いのではと考えました」

川又弘之氏 川又弘之氏

 10月8日からはNHK総合テレビでアニメもスタート。紙面ではその告知も行った。「アニメはかなり原作に忠実で、初回の放送は今回のお試し読みの部分とほとんどかぶっています。アニメの『予習』として読んでもらうのもいいかな、と」

 紙面には橋下祟載八段と、佐藤紳哉七段のスペシャル動画が見られるQRコードを掲載。来年3月に公開される実写映画や、年末から福岡・博多で始まる原画展「羽海野チカの世界展~ハチミツとライオンと~」に関する告知など、様々なメディアでの立体的な展開を盛り込み、多くの読者に訴求した。

【3月のライオン】12巻発売記念PR動画

 「アニメも映画も、マンガあってこそ。そういう意味では、作品のお試し読みという今回の企画は、非常に直球勝負のプロモーションでした」と川又氏。

 「インターネットの影響もあって、読者は『無料』に慣れきってしまっている。電子書籍の世界では『無料お試し読み』は今やごく当たり前のPR手法です。それを、アナログメディアの新聞でできたことは、非常に意味があったと手応えを感じています」

「読むことが好き」な幅広い層に訴求

 掲載日の朝5時に情報を解禁、ツイッターなどSNSを中心に拡散され大きな話題に。「羽海野先生も喜んでくれたようです」と川又氏は笑顔を見せる。

 広告は別刷りにして書店に配布。また、朝日新聞社主催の将棋関連イベントでも配るなどした。「普段マンガを読まない人にも、作品に興味を持ち、手に取ってもらうきっかけになればうれしい」

 メディアとしての新聞について、川又氏はこう評価する。

 「新聞、とりわけ朝日新聞の読者は『読む』こと自体が好きな人が多く、ジャンルにとらわれずいろいろ読みたい、次に読むものを探したいと思っている。朝日新聞の書評欄に載った書籍が売れるのは、そのためだと考えます。『3月のライオン』は、少女マンガ的要素がありながら、男性をも魅了する硬派な将棋の世界を描くなど、様々な読者がいろいろな切り口で楽しめます。羽海野先生がこの作品で第18回手塚治虫文化賞のマンガ大賞を受賞するなどニュース性もあり、新聞読者とは非常に親和性が高いと考えました」

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2015年9月25日付 朝刊 2015年9月25日付 朝刊

 同社では、11巻発売の際、当時のタイトルホルダー11人の棋士を起用した全面広告を出稿し、好評を得た。川又氏は新聞広告の効果について、「今回もそうですが、朝日新聞でそれだけの広告を打ったことは相当インパクトがあり、作品の規模感が伝わった。社会的なステータスが高まると実感できました」と語った。

 既刊、最新刊ともに重版がかかり、アニメ放送も好調。来年3月には実写映画の公開など、『3月のライオン』のムーブメントはしばらく続く勢いだ。今後について、川又氏はこう意気込んだ。

 「映画に絡めたプロモーションなど、年明けからは違った形での企画をいろいろと検討しています。ご期待ください」

 2016年9月29日付 夕刊(1面)
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 2016年9月29日付 夕刊(12面)
PDFは こちら (12~14面)

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