グループを挙げて取り組む環境と社会貢献活動をシリーズ広告で展開

 昨年末から、4回にわたって優しいグリーンを基調とした広告が朝日新聞の紙面を飾っている。三井不動産が取り組む「& EARTH」の理念と活動を伝えるシリーズ広告だ。

グループビジョン「& EARTH」を、広く一般の消費者に伝えたい

牛村涼子氏 牛村涼子氏

 「三井不動産のグループロゴマークは『&』をモチーフにし、『共生・共存』『多様な価値観の連繋』という理念を表しています。この理念のもと2012年、グループビジョンに掲げたのが『& EARTH(アンド アース)』です。本業である街づくりを通じて、環境、そして社会貢献への取り組みを進めています」
そう説明するのは、広報部ブランド・マネジメントグループ主事の牛村涼子氏。さらに、こう続ける。
「こうした活動にグループを挙げて取り組んでいることを、一般の方に知っていただきたい。社会貢献や環境といった内容の活動なので、きちんと読んで理解してもらえる媒体である新聞への出稿に踏み切りました」

 昨年12月18日付の朝日新聞で、三井不動産グループが持つ北海道の保有林で行っている社員による苗木植林のボランティア活動の様子を告知したのを皮切りに、同グループの商業施設で開催した親子で防災知識を学ぶワークショップ「& EARTH 災害に負けない知識を学ぼう!」(今年2月23日付)、不用になった衣料品をNPO法人を通じて世界各国に届ける「& EARTH 衣料支援プロジェクト」(同5月5日付)、そして、同グループの保有林の間伐材を使い木琴を作る子ども向けイベント「& EARTH melody」(同9月23日付)を紹介してきた。
「紙面には実際に活動に参加しているグループの社員が登場しています。読者の皆さんに『顔が見える』と感じていただきたかったと同時に、グループ内へのインナー効果を狙いました」(牛村氏)
  同グループは「街づくり」という本業を通じて、様々な事業に取り組んでいるが、グループ内でも他の会社や部署でどのようなことをしているのか、認識していない社員も少なくない。「新聞広告に掲載されることで、当グループが取り組んでいる活動を改めて伝えたかった。また、同じグループ社員が様々な活動に取り組んでいる姿を見ることで、全社のモチベーションのアップにつながるとも期待しています」(牛村氏)

2013年12月18日付 朝刊 全7段 2013年12月18日付 朝刊 全7段
2014年2月23日付 朝刊 全7段 2014年2月23日付 朝刊 全7段
2014年5月5日付 朝刊 全7段 2014年5月5日付 朝刊 全7段
2014年9月23日付 朝刊 全7段 2014年9月23日付 朝刊 全7段

「& EARTH」広告を通じ、グループブランドの向上へ

 掲載後、社内からは「新聞広告を見て、グループでこんな活動に取り組んでいると知った」という感想も届き、狙い通りの効果があったようだ。また、「J-MONITOR」の調査結果によると、「この広告から、三井不動産の環境を配慮した経営方針が伝わってきました」「子どもが木琴をたたいている様子が、ほのぼのして心が和みます。その上に浮かんだ地球も、地球にやさしい企業イメージが感じられ好印象です」といった好意的な反響が読者から寄せられた。

 「お子さんが登場するクリエーティブが、多くのお母さんたちの目に留まったようです。ご家族での利用が多い、ららぽーとやラゾーナ川崎プラザといった商業施設は、『三井』という名前がついていないので、弊社が運営している施設だとご存じない方も多いのですが、こうした場所で行うイベントや、その様子を伝える広告をきっかけにそれも知っていただき、三井不動産グループのブランディングにもつながっていけばいいと思っています」と牛村氏は期待を寄せる。

 このシリーズ広告は基本的に新聞を中心に展開している。牛村氏は新聞の特性について次のように語る。
「新聞は信頼性の高い媒体です。『& EARTH』広告は、当グループの誠実な姿勢を伝えていくことが大切で、それには最適な媒体ととらえています」
  「& EARTH」イベントでは、ほかにも盲導犬や視覚障害者への理解や知識を深め、盲導犬育成のための募金活動を行う「& EARTH 盲導犬ふれあいキャンペーン」にも取り組んでおり、イベントでのデモンストレーションなどを通じ、同グループの商業施設におけるバリアフリーの姿勢などを伝えている。
「こうした活動も今後、広告コミュニケーションとして展開しながら、グループブランドを『B to C』で訴求していく考えです」と展望を語った。