東芝の住宅用太陽光発電は「おもてなし」技術 多彩な紙面スペースが読者の目を引く

 昨年12月、朝日新聞にフリーアナウンサーの高島彩さんの笑顔の広告が掲載された。明るいイメージを映していたのは東芝の住宅用太陽光発電システムの広告だ。同社の太陽光発電は、高い発電効率を実現する「バックコンタクト方式」という最先端モジュールを採用し、世界トップレベルの発電力を誇る。この広告キャンペーンを展開した狙いについて聞いた。

新聞で幅広く 高性能な「東芝の太陽光発電」を印象づける

亀田光男氏 亀田光男氏

 一連の広告は、2013年12月10日付の朝日新聞夕刊セクション折りと11日付本紙の朝刊と夕刊に掲載された。同社の太陽光発電システム推進部 住宅販促・管理担当 参事の亀田光男氏はこれらの広告について、こう語る。
「当社の住宅用太陽光発電システムは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が設定した、2020年までに達成すべきモジュール変換効率基準を一足早くすでにクリアしており、住宅用量産製品では最大モジュール変換効率が世界No.1です。国内市場初となる長期保証(有料)も実施しています。一方で、『東芝』が住宅用の太陽光発電システムを扱っていること自体、全国に行きわたっていません。そこで、当社が高性能な太陽光発電システムのメーカーであることの周知と、一般のお客様が来場できる環境展示会『エコプロダクツ展』への出展告知も兼ねて、新聞広告の掲載を決めました。普段はテレビCMの他、リフォームや建築など、住宅関連雑誌などにも広告を掲載しています。今回はできるだけ幅広い層にリーチさせることが目的でしたので、新聞が有効だと考えました」

2013年12月10日付 夕刊セクション折り(表面) 2013年12月10日付
夕刊セクション折り(表面)

 スタートの広告は「夕刊セクション折り」。夕刊に折り込まれる表裏2ページの広告だ。表面はイメージキャラクターを務める高島彩さんの写真を大きく配し、裏面には、太陽光発電の仕組みの解説に加え、夕刊と主婦層の親和性を考えて「太陽光の恵み 高島彩プレゼンツおひさまレシピ」と題した料理情報も掲載した。

 翌11日の朝刊ではテレビ面の左下に、通常より大きな「ダブル表札広告」という大型の広告を掲載。さらに同日の夕刊では、テレビ面の上下を全3段と全7段で挟み込むレイアウトで掲載した。
「笑顔の高島さんは明るいキャラクターで、太陽の象徴のような役割」と亀田氏。まぶしいくらいの光が感覚的に伝わるビジュアルを合計3回にわたって展開した。「掲載回数やスペース、サイズに関しては、少しでも読者の記憶に残るように、朝日新聞社と相談しながら決めました」と亀田氏は振り返る。

 朝日新聞を選んだ理由については「過去の掲載で反響が大きかったからです」と亀田氏。広告を見た読者の問い合わせも考慮し、イベント情報の他、ご相談センターのフリーダイヤル、特設サイトの情報を掲載したが、今回も期待通りの反響があったという。
「掲載日からフリーダイヤルへの問い合わせが増え、『おひさまレシピ』や『お天気発電クイズ』など特設サイトへのアクセス数もぐんと伸びました。年間を通じてテレビCMも活用していますが、新聞広告はダイレクトに反響を実感できる媒体ですね」

2013年12月10日付 夕刊セクション折り(裏面) 2013年12月10日付
夕刊セクション折り(裏面)
2013年12月11日付 朝刊テレビ面 東芝 2013年12月11日付
朝刊テレビ面
2013年12月11日付 夕刊テレビ面 東芝 2013年12月11日付
夕刊テレビ面

説明と納得が必要な商品 販売チャネルも広告で支援

 広告は、一般の消費者だけでなく、販売会社や住宅メーカーなども視野に入れた。
「住宅用太陽光発電システムは、通常の家電製品のように誰でも気軽に購入できる商品ではありません。日本の家電メーカーに加え、外資系企業も参入して競合商品は多いのですが、決して安価ではなく、長い期間お付き合いする商品です。販売する側の「説明」に加え、ご購入いただく側の「納得」も大切なんです。だからこそ、『東芝の太陽光』に決めて良かったと思っていただけることが重要なのです。」と亀田氏。

(上)東芝独自の「バックコンタクト方式」のモジュール。(下)多くの販促資料を制作し「東芝の太陽光」を周知 (上)東芝独自の「バックコンタクト方式」のモジュール。
(下)多くの販促資料を制作し「東芝の太陽光」を周知

 そうした背景を踏まえ、新聞広告をはじめマスメディアにおけるコミュニケーションの意義については、次のように話す。
「販売会社からは、『新聞広告に掲載されていた商品』ということで、安心してお客様に話を聞いてもらえた。世界トップレベルの高性能製品なのでCO2削減などに大いに貢献につながる商品として、おすすめもしやすい、といった声も届いています。購入いただいたお客様からは『自分で発電した電気を自分の家の中で使い、余った電気は電力会社に売電できるので、とてもエコな生活ができて、イメージ通りだ』との声もいただいています」

 再生可能エネルギーの関心と需要は年々高まっており、今後もこうした広告キャンペーンは継続していく予定という。

「世界No.1の変換効率実現のため、当社のモジュールは電極をセルの裏側に配した『バックコンタクト方式』を採用しています。『おもて(面に電極が)なし』なので、見た目も美しく、発電効率も優れるという、まさに「おもてなし」の心が表れた商品なんです。日本の総合電機メーカーとして自信を持ってお客様にお届けできる商品だからこそ、その魅力を広く浸透させるコミュニケーションを考えていきたいと思います」