教育情報キュレーションサイトでサイエンスと大学の最前線を発信

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2021年に創立140周年を迎え、大規模な学部・学科再編も予定している東京理科大学は、朝日新聞社の教育情報キュレーションサイト「寺子屋朝日」を活用。学長と企業トップとの対談、教授の鼎談など4本の協賛記事(ネイティブアド)で、サイエンスの最前線やこれからの大学のあり方、同大学の取り組みを発信しました。なかでもSDGsをテーマにした回は好評で、よく読まれています。

これからの大学のあり方目指す方向性を広く発信

安盛敦雄氏 東京理科大学 常務理事
安盛敦雄氏

 明治14(1881)年に創立され、これまで21万人以上の卒業生を社会に送り出してきた東京理科大学。7学部31学科、学生数約2万人と私立の理工系総合大学としては最大規模を誇る。 2021年に140周年を迎える同大学では、より学際的で横断的な教育研究を進めるべく、学部・学科の再編やキャンパスの再配置を行うことも発表している。

 「これから大学は、社会の変革に合わせて大きく変わっていかなくてはなりません。科学技術のあり方、社会との関係も大きく変化してきています。ですから私どもが今、大学で何をしているのか、どんな方向へ進もうとしているのか。それを多くの方に知っていただくことがますます重要になってきています。そのためにはどんなメディアで情報を発信するべきか。今回、様々に検討した結果、まずは教育に関心が深く、熱心に読んでくれる読者が多いと思われるメディアで情報を発信しようと考えました」

 朝日新聞社の教育情報キュレーションサイト「寺子屋朝日」を活用した背景を、安盛敦雄常務理事はそう語る。「寺子屋朝日」は、朝日新聞出版発行の「大学ランキング」元編集長の友澤和子が編集長を務め、幼児教育からリカレント教育まで、あらゆる人の「学び」を応援するためのメディアだ。

寺子屋朝日 朝日新聞デジタルをはじめとする朝日新聞社のwebメディアでは、教育に関するコンテンツを多数発信しています。幼児教育からリカレント教育まで、すべての人の「学び」を応援するため、教育情報キュレーションサイト「寺子屋朝日」を開校しました。

 同大学ではこれまで「寺子屋朝日」に、学長や教授らによる対談や鼎談の協賛記事を4本掲載してきた。例えば7月末には、松本洋一郎学長と、同大学が包括連携協定を結んでいる第一生命ホールディングス兼第一生命保険の代表取締役会長で経団連副会長/教育・大学改革推進委員長でもある渡邉光一郎さんとの対談を掲載した。

 「これからの大学のあり方、社会で求められる技術や人材などについて広く語り合っていただくことを通じて、本学の改革や目指す方向性を発信したものです」

 9月末には、SDGs達成のために果たすべきサイエンスの役割をテーマに、3人の教授が語り合う協賛記事を掲載した。マイクロプラスチックや気候変動など、昨今注目されている問題を取り上げたためか、掲載開始から約4週間、同サイト内で一番多くのPVを獲得した。

 「本学では2007年から、『自然・人間・社会とこれらの調和的発展のための科学と技術の創造』を理念に掲げ、教育・研究活動に取り組んでいます。この理念はまさに、SDGsにそのままつながるものです。持続的な社会を築いていくうえで科学技術は不可欠であり、そのための教育・研究にこれからも尽力していきます」

「データサイエンス」と「宇宙」をテーマに最先端の研究を紹介

 残り2本の記事は、「データサイエンス」と「宇宙」がテーマとなっている。一つはゲノム解析やビッグデータを活用した次世代医療についての記事。もう1本は、可能性の広がる「宇宙」開発について、日本人初の女性宇宙飛行士である向井千秋・特任副学長と教授2人による「宇宙というフロンティアに挑もう!」だ。

 「データサイエンスは科学技術の基礎となるもので、経営や医療、防災など社会のあらゆる分野で必須の学問領域です。これからますます重要性を増していきます。本学では4月にデータサイエンスセンターを設立し、データサイエンスを核とする最新研究と、高度な技術と知識を持ったデータサイエンティストを育成するための社会人教育にも取り組んでいます。

 一方、医療分野では薬の効果を調べるためのデータサイエンスだけでなく、画像診断のための化学や電気工学、手術ロボットのための機械・材料工学など理工系の学問とその連携が不可欠です。また宇宙分野では、理工学部に学科を超えて横断的な研究を行う〈宇宙理工学コース〉を設置しました。さらにスペース・コロニー研究センターでは、人間が宇宙で長期滞在するための研究も行っています」

 SDGsに代表される現代社会が抱える課題を解決するには、分野を横断した研究やイノベーションが重要である。4本の協賛記事を読むと、7学部31学科からなる理工系総合大学である同大学の強みがよく分かる。さらに学部・学科の再編により、学際的・横断的な教育研究に力を入れていくというから今後が楽しみだ。

 「数学、物理、化学といった縦軸ともいえる従来の学問を究めることは、アカデミズムとしてもちろん重要です。いっぽう医療やSDGsのような分野では縦軸だけでなく、横軸となる学問の連携が重要です。イノベーションは、異分野の研究者が集まり、知恵を寄せ合うことで生まれます。ですから今回は、あえてそのような横軸が必要な研究にスポットを当てました」

 4本の協賛記事は大学の紹介だけでなく、SDGsやデータサイエンス、宇宙といった分野と最先端のサイエンスの関係が分かりやすく解説、紹介されており、読み物として楽しめる内容になっている。そのため、いずれの記事も平均の滞在時間が3分程度と、ウェブとしては長い時間閲覧されている。

 「多くの方にじっくり読んでいただけてうれしく思っています。まずはSDGsやデータサイエンス、宇宙に関心を持つ方に記事を読んでいただき、そこから本学に興味を抱き、HPを閲覧する、そのような循環ができることを期待しています」

 東京理科大学は就職率もよく、卒業生は社会の幅広い分野で高く評価されている。それは一定の成績を収めないと進級させない関門制度を設け、徹底して実力をつけることを伝統にしているからだ。これまでの広告コミュニケーションにおいても、そのような真面目で厳しい教育機関としてのイメージを強調してきた。

2019年11月7日付 朝刊 883KB

安盛敦雄氏

 「ただこれからは、なぜそんなにしっかり勉強することが必要なのか、その動機付けとなるようなアプローチも必要だと感じています。そのためにも、大学ではどんなことを学び、大学での学びが将来、社会でどう役立つのかといったことを丁寧に伝えていく必要があります。そういった意味で幅広い層に、何度もじっくり読んでもらえる『寺子屋朝日』のようなウェブメディアは有効だと思います。これからの社会でますます重要になる科学技術の分野に優秀な若者が集まってくるよう、これからも私どもの取り組みを積極的に発信していきたいと考えています」