ペットと暮らすことによって生まれる消費

 厚生労働省の資料によると「犬の登録数」は平成16年度に6,394,226頭だったが、平成21年度には6,880,844頭と5年間で約50万頭増加している。ペットを飼育している世帯が増加する中で、ペットを飼育していることが各種商品・サービスへの需要のあり方に少なからず影響を及ぼしている可能性がある。

 朝日新聞東京本社広告局では、ペットを飼っていることが消費行動に与えている影響を探ることを目的として、2011年3月に「ペット飼育者調査」を実施した。本稿では、「住まい」と「クルマ」についての調査結果を紹介する。
調査は、インターネット調査の手法で実施し、東京23区と横浜市に居住する、犬または猫の飼育者3,000人から回答を得た。本報告では、回答者全体のほか、犬飼育者と猫飼育者の別に見た結果を中心に紹介する。なお、犬と猫を両方飼っている人は、犬飼育者(n=1,880)の12.3%、猫飼育者(n=1,351)の17.1%を占めている。

ペットと一緒に過ごす「住まい」への関心は高い

 犬と猫のそれぞれについて飼育場所を尋ねた結果を見ると(図1)、「室内で飼育している」という割合は、犬(n=1,880)の場合は87.1%、猫(n=1,351)では83.3%となっている。「どちらかといえば室内飼育が多い」という回答も含めると、犬の場合も、猫の場合も9割以上が室内で飼育されている。そこで、普段ペットと一緒に過ごしている住まいについてどのような需要が生じているのかを探った。

 まず、回答者全体(n=3,000)に、現在の住まいを選ぶ際にペットのことを考慮して重視した点があるかどうかを尋ねたところ、「住居の広さ」(25.1%)、「ペット用の部屋・スペースの有無」(18.6%)、「動物病院やペット用品店などが近くにあること」(18.0%)を挙げる人が多かった(図2)。犬飼育者(n=1,880)では、猫飼育者(n=1,351)と比べて「庭・テラスの有無」「公園などの周辺環境」を重視したという人が多い。

 次に、今後住み替えをする場合にペットのことを考慮して重視する点があるかどうかを尋ねた結果を見ると、「住居の広さ」(37.4%)、「動物病院やペット用品店などが近くにあること」(31.8%)、「ペット用の部屋・スペースの有無」(29.5%)、「庭・テラスの有無」(28.6%)を重視したいという回答が多かった(図3)。
現在の住まいで重視した点と同様に、犬飼育者では、猫飼育者と比べて「公園などの周辺環境」「庭・テラスの有無」を重視するという人が多い。ペットを飼っていることが住まいに関するニーズに少なからず影響を与えていることがうかがえる。

クルマ選びとペット

 「ペットとクルマで外出したい」という項目について、「あてはまる」「ややあてはまる」「あまりあてはまらない」「あてはまらない」の4段階で回答してもらったところ、「あてはまる」と「ややあてはまる」を合わせた回答者の割合は、回答者全体(n=3,000)の54.1%であるが、犬飼育者(n=1,880)では71.6%と高くなっていて、猫飼育者(n=1,351)の31.7%と大きな差が見られる(図4)。以下に紹介する調査結果から、特に犬を飼っていることがクルマ選びに影響を与えていることがうかがえた。

  自家用車保有者全体(n=2,128)に対して、自家用車を購入した際にペットのことを考慮して重視した点を尋ねたところ、「車種・タイプ」(25.6%)、「車内空間の広さ」(23.5%)を重視した人が多かった(図5)。犬を飼育している自家用車保有者(n=1,462)では、「車種・タイプ」「車内空間の広さ」を重視した人の割合がそれぞれ3割弱となっていて、それらの2項目では猫を飼育している自家用車保有者(n=857)との差は大きい。

 次に、現在自家用車を保有していない人も含めた回答者全体(n=3,000)に、「今後自家用車を購入(買い替え)する際に、ペットのことを考慮して重視したい点」を尋ねたところ、「車内空間の広さ」を挙げる人が28.9%と多く、「車種・タイプ」(23.9%)、「安全性」(19.5%)と続いている(図6)。
犬飼育者のうち「ペットとクルマで外出したい」という人(n=1,347)に限って見ると、今後の購入(買い替え)の際の重視点として、「車内空間の広さ」(42.6%)を挙げる人が特に多く、「車種・タイプ」(32.7%)、「安全性」(26.4%)などが続いている。

なお、今後購入(買い替え)したいクルマのタイプは、回答者全体では「セダン」を挙げる人が30.1%で最も多かった(表1)。犬飼育者のうちの「ペットとクルマで外出したい」という人では「車内空間の広さ」を重視したいという回答が多かったが、今後購入(買い替え)したいクルマのタイプとして「ステーションワゴン」を挙げた人が34.2%と最も多くなっている。

※色アミのセルは回答比率が最も高いセル

■調査概要
【調査地域】東京23区、横浜市
【調査対象】犬または猫を飼育している20~69歳の男女個人(マクロミル社のモニター)
【調査方法】インターネット調査
【回収数】3,000。予備調査で得られた犬・猫飼育者の性・年代構成を基に本調査で割付回収を行った
【調査期間】2011年3月8~11日
【調査企画・設計】朝日新聞東京本社広告局
【実査機関・レターヘッド】株式会社マクロミル