(前編)では、環境問題の重要度の理解が「アクション」につながっており、その重要度を理解するには「新聞広告」が大きな役割を果たしていることを紹介した。後編では、環境意識や行動について尋ねた30項目に対する反応をもとに、因子分析とクラスター分析を行って生活者を6つのクラスターに分類し、その特徴から効果的な「環境コミュニケーション」のあり方を考察する。
身の回りエコ派
節電や節水、エコバッグの活用、リサイクル活動など、環境に配慮した行動をすることが身についており、同時にこれらの行動をすることに対する心地よさも感じている。女性が多く、朝日新聞を読んでいる人の割合がやや高い。
自然が気になる派
環境問題について広い関心を持っており、自然保護の重要性を強く感じている。詰め替え用商品の購入、台所の排水への配慮など、ゴミの出にくい生活を徹底。やや女性が多く、朝日新聞を読んでいる人の割合が高い。
エコ活動やります派
環境についての意識が最も高く、かつ環境に配慮した暮らしを実践している。環境問題に関わるNGO・NPO活動や地域で行うゴミ拾いなどの環境活動に率先して参加。男女比はほぼ半々で、平均世帯年収は最も高く、朝日読者も多い。
気持ちだけエコ派
環境問題についての関心は高いが、エコ行動にはつながっていない。なかなか行動に移せないことに対して後ろめたさも感じている。男性が多めで、読売新聞を読んでいる人の割合が高い。
人まかせエコ派
環境問題についての重要性は感じているが、自分一人が行動を起こしてもたいした影響はないと考えている。環境に配慮した行動が生活に根付いていない。平均年齢・平均世帯年収とも低い。読売新聞を読んでいる人の割合が高い。
エコとは無縁派
環境問題について全般的に関心を持っていない。環境に配慮した行動もあまりしていない上に、それに対する後ろめたさも感じていない。男性が7割以上を占めており、読売読者の割合が高い。
「身の回りエコ派」や「自然が気になる派」「エコ活動やります派」は、新聞の環境広告に興味を持っているだけでなく、新聞の環境広告に注目している人の割合も高い。一方「人まかせエコ派」や「エコとは無縁派」は新聞の環境広告に興味をあまり持っておらず注目もしていないようだ。前編で紹介したように、生活者は環境広告に対して、きちんとした根拠を求めており、それには「テレビCM」より「新聞広告」の方がふさわしいととらえている。
環境コミュニケーションをより効果的に進め、生活者のアクションを喚起するには、「身の回りエコ派」「自然が気になる派」「エコ活動やります派」がもっとも多く読んでいる「朝日新聞」の活用にヒントがありそうだ。
2回にわたって紹介した「環境広告影響度調査」の結果は小冊子「エコアクションの起こし方」に収載しています。この冊子では「アクション」を喚起する環境コミュニケーションには新聞広告の活用が欠かせないことを紹介しています。
2009年6月に発行し、環境コミュニケーションは生活者とのきずな作りにふさわしいことを説いた「生活者とのきずなをはぐくむ環境コミュニケーション」とともに、効果的な環境コミュニケーションのためにご活用ください。