「広告特集 企画・制作 朝日新聞社広告局」のクレジットが入った記事体広告。新聞社が制作することで、訴求内容に信頼性や安心感を付与できるというのが第1のメリットだ。今回は、「つながる“絆(きずな)”」をテーマに、女優の藤山直美さんらが父の故・藤山寛美さんについて語った仏壇店「浜屋」の広告特集に関する広告モニター調査の結果から、記事体広告がもたらす効果について確認していきたい。
◆信頼感や安心感の向上に結びつく記事体広告
まずは新聞社が制作した記事体広告を読むことがどの程度信頼感や安心感の醸成に結びつくのかを見てみよう。掲載広告についての質問をする前に、浜屋についてのイメージを尋ねた。最も多かったのは「伝統がある」の52.4%。一方、「信頼できる」は25.0%で「安心できる」が18.3%、「誠実だ」は5.8%だった。次に広告紙面を見てもらった後に浜屋のイメージを再度尋ねたところ、「伝統がある」は微増の55.3%だったが、「信頼できる」は39.2%、「安心できる」が33.2%、「誠実だ」は27.6%と3つの項目のスコアが大きく上昇した。親子の絆について語った記事体広告とそれにあわせた浜屋の純広告を見ることで、浜屋への信頼感や安心感が向上することが確認できた。
◆記事体で表現することで「自分ごと」感を持たせる
今回の浜屋からの広告出稿は同社の理念である「父にも父がいた。母にも母がいた。大切にしたい家族の絆」を訴求したいとの意図があった。そこで、広告全体を見て「父にも父が・・・」という浜屋の理念が伝わったかどうかを尋ねたところ、「まあ伝わってきた」を合わせると、9割近い人が「伝わってきた」と答えた。男女別に見ると女性の年配層で「伝わってきた」という人が多い。
また、広告特集に関する自由回答では、「つながりや家族や先祖の絆を大切にしていきたいと思いました」と答えた30代の女性や、「人と人のつながりを大切にすることで絆を深め、ご先祖様を身近に感じる良いきっかけとなった」という40代の男性など、広告を見て家族や先祖との絆について考えたという意見や感想が多く見られた。
仏壇は購入を検討する機会がそれほどあるわけではない。なかなか「自分ごと」として考える機会がない商品だが、今回の広告特集では藤山寛美さんとの「つながり」を記事体で読ませることによって、「自分ごと」感を持たせることができたと言える。
<広告モニター調査(大阪本社版)調査概要>
【調査地域】 大阪市と中心とした半径30キロ圏内と神戸市
【調査対象者】 調査対象地域に居住し、朝日新聞を購読する15~69歳の男女個人
【抽出方法】 確率比例2段抽出(エリアサンプリング)
【調査方法】 パソコンを利用したオンラインサーベイ(モニターパネル調査)
【標本サイズ】 調査ごとに約1,500人のモニターから朝日新聞読者の性・年齢比に応じて300人を抽出
【回収数(率)】 236(78.7%)
【調査実施日】 2010年2月8日
【調査企画・設計】 朝日新聞大阪本社広告局
【調査機関・レターヘッド】 ハイパーリサーチ