専門家と一般生活者のコミュニケーション不全を防ぐ「新聞」〜医療・健康に関する調査より

「思い込みの激しい患者さんが多く、なかなか治療方針を理解してもらえない」「先生は難しい話ばかりして、こっちが聞いたことにちゃんと答えてくれない」。インターネットの普及などにより、ちまたに流れる医療・健康に関する情報は飛躍的に増えていますが、医師と患者のコミュニケーションがうまくいかないケースはなくなりません。医師と患者とのコミュニケーションを円滑に進めるために新聞は何ができるのでしょうか。大阪本社広告局では2008年10月から11月にかけて、関西と関東の医師400人と生活者800人を対象に、コミュニケーションの状況や医療広告に求める内容などを尋ねる「医療・健康情報に関する調査」を実施しました。

◆ 医療現場でコミュニケーションがうまくいかないと感じるのは

 医師と生活者の双方に、コミュニケーションがスムーズにいかないと感じる程度を尋ねました(図1)。「よくある」と「時々ある」を合わせると、医師の約7割、生活者の約4割がスムーズにいかないと感じているようです。

 医師から見た患者の理解不足を感じる点は「不確かな知識・情報に振り回されている」が最も多く、ほとんどの医師が問題と感じています(図2)。逆に生活者から見ると「何が正しい情報かの基準が分からない」ことに戸惑いを感じるようです(図3)。特にコミュニケーションがスムーズにいかないと感じた生活者では、その割合は約7割にも上ります。

 医療現場でのコミュニケーションをスムーズにするためには、「正しい情報」が必要とされていることが分かります。

◆ コミュニケーション不全を防ぐのに役立つ新聞

 医師に対して、「患者や生活者にとって有益な情報源」「健康や医療に関する有益な情報源」を尋ねました。最も回答が多かったのは「新聞記事」(67.0%)で、「新聞広告」(50.3%)が次に続いています(図4)。「症状や病気に関する正しい知識を得られるのは」や「医薬品に対し正しい知識を得られるのは」で新聞が最もスコアが高かったことからも(図5)、正確な情報を伝えるメディアとして新聞が評価されていることが分かります。

 一方、生活者側では、良好なコミュニケーションのために「病気や治療法の知識」を深める必要を感じており(図6)、信頼性や内容の正確さなどで新聞は高い評価を得ています(図7)。「正しい情報」「信頼できる情報」を提供する「新聞」は、医師と生活者のコミュニケーション不全を防ぐ力があるといえるでしょう。

 医師と生活者のコミュニケーション不全と新聞ができることについて述べてきましたが、これは医師と生活者にのみあてはまるものではありません。企業と消費者や教師と保護者など、情報があふれすぎていて、かえってコミュニケーションがうまくいかないケースが色々とありそうです。医師などの専門家と一般生活者は異なる立場にいますが、信頼できる情報を提供することにより両者を結びつけるという新聞の機能は、インターネット全盛で情報があふれすぎている今だからこそ、かえって必要とされているのではないでしょうか。

◆ 医師で高い朝日新聞購読率

 医師や弁護士、教育関係者などの層は、朝日の購読率が高いといわれます。今回の調査でも関西で39.5%、関東で38.0%の医師が朝日を購読していました。読売は関西で16.0%、関東でも23.5%であり、朝日が大きく上回りました(図8)。

<媒体資料『医師と患者のコミュニケーションと朝日新聞』について>

 本調査結果や、国立がんセンター名誉総長・垣添忠生氏と作家・岸本葉子氏の対談を中心に、朝日新聞本紙の医療編集特集や広告事例を紹介しています。A4版/20 ページ/オールカラーページ。

<調査概要>

【医師編】
調査地域/関東1都3県および関西2府2県
抽出方法/インターネット調査
有効回収数/関東圏200、関西圏200
調査時期/2008 年10月
調査企画/朝日新聞大阪本社広告局
調査管理/Ipsos 日本統計調査 レターヘッド/社会情報サービス

【生活者編】
調査地域/【関東】東京駅を中心とした50km 圏 【関西】大阪市を中心とした30km 圏49市
抽出方法/調査会社のモニターパネルを利用。住民基本台帳に基づき、関東圏・関西圏ごとに都府県・性・年代を実勢比割付
調査方法/郵送配布・郵送回収 有効回収数/800(関東圏・関西圏各400)
調査時期/2008 年10~11 月 調査企画・設計/朝日新聞大阪本社広告局
調査機関・レターヘッド/Ipsos 日本統計調査