「将来や老後の備えは十分」13.9%
どのくらいの人が、将来や老後の 備えは大丈夫である、と考えている のだろうか。
J-READでは「将来や老後の備えは十分である」 かどうかを尋ねている。「はい」と答えた人は13.9%。7人に一人である(図1)。男女差はほとんど無いが、年代別に見ると40代までは10%前後で椎移し、50代で14.2%、60代で24.3%と4人に一人まで上昇する。
J-READ2017
では、 将来や老後に備えてどのくらいお金を貯めておけば良いのだろうか。
「将来や老後の備えは十分である」 に「はい」と答えた人(以下「十分」層)の平均金融資産額を算出したところ3,300万円であった。年代別に見ると、30·40代で2,000万円程度なのが、50·60代で4,000万円前後まで上昇する(図2)。一方「いいえ」と答えた人(以下「不十分」層)の平均金融資産額は年代に関わらず1,000万円前後となった。
J-READ2017
収入の有無や独身・既婚、何人家族か、持ち家・貨貸、ローンがあるかないかなど生活環境によって当然違うだろうが、シニアになったら4,000万円程度は蓄えておく必要がありそうだ。
消費マインド高い「備えが十分」層
さらに「お金」について探ってみる と、消代に対するマインドの違いが見えてきた。
図3は「将来に備えてお金を貯める」と「今の生活を楽しむためにお金 を使う」に対して「はい」と答えた人 の割合を、性・年代別に集計した結果である。
「将米に備えてお金を貯める」に対しては、「十分」層は72.2%が「はい」と答えており、どの年代も70%前後と高スコアだ。「不十分」層は、どの年代も50%前後と低い。
J-READ2017
「今の生活を楽しむためにお金を使う」に対しては「十分」層が63.7%と「不十分」層の54.5%に対して10ポイント近く高くなっている。年代別に見ると、「十分」層はどの年代も6割以上と邸いが、「不十分」層は、20·30代では「十分」層と同程度だが、高年齢になるほど低下し、60代では20ポイント近くまで差が広がっている。
J-READ2017
「十分」層は、お金を貯める努力はするが、今の生活を犠牲にしてまで貯蓄に励んでいる訳ではないようだ。しかも「今の生活を楽しむ」マインド はシニアになっても下がらない。
J-READでは他にも「お金」に関わる意識を尋ねている。
図4から、「余暇の活動にはお金をかける」「住宅にお金をかけるのは当然」など、「十分」層は「不十分」層よりもスコアが高く、良い生活をするためにお金を使うといった消費マインドの高さがうかがえる。また「資産運用に関心がある」など資産活用にも 積極的である。
J-READ2017
「備えが十分」層は(若年層も)新聞を読んでいる
最後に、新聞の接触(月に1回以上 接触する人の割合)について比較したのが図5である。「十分」層の方が「不十分」層よりスコアが総じて高くなっている。特に10代~30代でその差が大きく、「十分」層は若年層でも新聞を読んでいることがうかがえる。
J-READ2017
以上の結果から、新聞が、将来や 老後の備えが十分できている消費マインドが高い層に読まれていて、しかも若者にも読まれていることがわかる。
今後も、新聞が、こうした読者に益で役立つ情報を提供できるメディアであり続けたい。
(朝日新聞東京本社 メディアビジネス局 マーケティング・ディレクター 真板 誠)
■第17回全国新聞総合調査(J-READ2017)
調査地域: 全国47都道府県
調査対象: 満15~69歳の個人
抽出方法: RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)で、調査対象者を抽出。 2016年度調査対象者のうち次回以降調査可能な方から一部抽出
調査方法: 調査依頼への応諾者に後日郵送で調査票を送り、記入完了後、調査票を返送
有効回収数: 28,808
規正標本サイズ: 87,992(推計人口に対応。単位:千人)
調査時期: 2017年10月15日(日)~10月21日(土)
調査主体: ビデオリサーチ
※J-READ2017の標本サイズ(n数)はすぺて規正漂本サイズです
◆PDFでもご覧いただけます
冊子『広告朝日』22号掲載 Data&Analysis(394KB)