商品と消費者をむすぶ体験型展示会「GOOD LIFE フェア」 出展者の満足度が高い理由は

 朝日新聞社は2022年から国内最大級のサステナブル・ライフスタイルイベント「GOOD LIFEフェア」を開催しています。2023年は9月1~3日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催し、2024年は10月25~27日に同会場で開催します。出展者からの満足度が高く、年々出展ブースが増えているこのイベントのコンセプトや魅力について、メディア事業本部事業運営部コミュニケーションメディアチーム次長の上沖典保に聞きました。

出展者向け資料


GOOD LIFE フェア資料ダウンロード

今までリーチできなかった層に、商品やサービスへの思いを伝える体験型展示会

──まずは「GOOD LIFE フェア」とはどのようなイベントなのか、教えてください。

 「豊かな暮らしに役立つ総合メディア企業」を掲げる朝日新聞社が運営する、今までにないスタイルの展示会です。消費者に、商品に込めたストーリーや理念、こだわりを伝え、ファンをつくることを重視した体験型イベントです。「豊かな暮らし」「SDGs」「サステナブル」といったテーマに合致するものであれば、ジャンルは問いません。食にクラフト、住まい、健康、美容、雑貨、ファッション、趣味、レジャーと、出展内容は多岐にわたります。

2306_A-TANK_1

──これだけ幅広い分野にわたるBtoCの展示会は珍しいですね。様々なものが一つの場所に集まっているのはある意味で新聞的です。

 ジャンルを絞ったり、特定の企業が開催したりするイベントでは、そのジャンルや企業の関係者など一定の層の人しか集まりません。「GOOD LIFE フェア」は幅広い層を対象にした新聞メディアならではの展示会です。来場者に、今まで興味がなかったことを知り、新たな発見や気づきを得てもらう。何かしらの行動変容をもたらす。そんなイベントを目指しています。出展者にとっては、今までアプローチできなかった層にリーチできる場です。このイベントでは、インターネットの世界にはないリアルな空間ならではの出会いや体験を何より大切にしています。来場者は、展示ブースはもちろんワークショップやステージを通じて、出展者と楽しみながらコミュニケーションをとっていただいています。

──朝日新聞社が主催していることのメリットはどんなところにありますか。

 まずは朝日新聞社がもつ約600万人のID情報(2023年開催当時)を、イベントのプロモーションやその後のマーケティングに活用できることです。朝日新聞社が運営する多様なメディアで出展者の商品やサービスを紹介したり、出展と連動させた広告企画を展開したりすることも可能です。このイベント自体を、会期前後に朝日新聞社のメディアで積極的にPRするので、出展者にとっては朝日新聞の読者層に広くプロモーションできるメリットもあります。

2306_A-TANK_1

こちらに掲載しているのは第2回(2023年)のPR・広報施策の一部です

──その他、出展者を支援する仕組みがあれば教えてください。

 「GOOD LIFE フェア」には消費者だけでなく、バイヤーのお客さまも多く来場されます。そこで出展者の商品やサービスに興味をもっていただけた場合は、事務局が商談をセッティングするビジネスマッチングサービスも行っています。私たちはこのイベントでの出会いを一過性のものに終わらせず、その後も来場者とのコミュニケーションを続け、出展者のファンになってもらうことが大事だと考えています。そこで、来場者に配布するバッジにQRコードを載せ、それを読み取ればブースに来た方のメールアドレスなどの情報を取得できる仕組みも用意しています。それをもとに、来場者との長期的なコミュニケーションを継続的に行うことが可能になります。

出展者向け資料


GOOD LIFE フェア資料ダウンロード

「情報感度、購買意欲の高い来場者が多い」と出展者からは高い満足度

──出展者の特徴を教えてください。

 一番多いのは、商品に込めたストーリーや理念、こだわりをより多くの人に知ってもらいたいと考えている方々です。サステナブルやSDGsに配慮し、丁寧にこだわりをもってつくられたものは、どうしても価格が高くなります。普通にインターネットやスーパーに並べても、簡単には購入してもらえません。でもこのイベントで、どのような素材をつかい、どのようにつくられているのか、出展者から直接説明を受けて、実際に体験していただくと、「これだけ手間がかかっているならこの価格はむしろ安い」と納得いただけて、購入に至っています。その場で購入しなくても、後日ネット通販で購入したり、継続的なリピート購入につながるそのブランドや商品のファンになっていただけることも多いのです。 

──来場者はどのような方が多いですか。

 30代から40代のファミリー層が中心で、とくに女性が多いです。普段の暮らしに関心が高く、家族によりよいものを食べさせたい、よいものを着てほしいといった思いをお持ちの方です。ちなみにビデオリサーチの調査(J-READ 2021)では、朝日新聞の読者はSDGsに関心が高いとの結果が出ています。よってSDGsやサステナブルといったワードに感度の高い方に多く来場いただいています。テレビなどでも告知するため、朝日新聞の読者以外の方ももちろんいらっしゃいます。

2306_A-TANK_4

GOOD LIFE フェア2023 来場登録データより

──実際に出展者が「GOOD LIFE フェア」をどのように活用しているのか、具体的な事例を教えてください。

  今、国内マーケットで、少子化などで販売量が頭打ちする企業が多いなか、新たな活路として消費者への直接販売、いわゆるD2C(Direct to Consumer)に力をいれるメーカーが増えています。そのようなメーカーが、消費者に直接アプローチする場として活用いただくケースが多いですね。ある大手調味料メーカーは、ECサイトで限定販売する商品ブランドの素材や製法、こだわりを、職人が来場者に直接説明し、味比べをしてもらっていました。ある大手ファッション通販企業は、農薬や化学肥料を使わずに栽培されたオーガニックコットン素材の衣料品を展示し、来場者からヒアリングした意見をその後のプロモーションやマーケティングに活用されています。
 このように、直接的な購買だけでなく、消費者のリアクションを知りたいといったニーズも強いですね。設定した価格で購入していただけるのかどうか、お客さまの反応のデータを集め、マーケティグや商品開発に生かしたいという出展者も多くいらっしゃいます。ビジネス目的ではなく、社会貢献の場として、このイベントを活用いただいている企業もあります。例えばある大手コスメブランドは、自社が取り組む公共の場でのハラスメントに対する意識啓発プログラムを紹介し、ブースでトレーニングプログラムも実施していました。観光や移住政策、特産品、ふるさと納税などのPRを行う自治体も増えています。

──出展者からはどのような反響がありますか。

 出展者からは「情報感度、購買意欲の高い来場者が多い」とのよろこびの声をよくいただきます。2023年の出展者アンケートでは「大変満足」または「満足」との回答が63%に達しました。「普通」も含めると9割近くになります。「不満」または「やや不満」だった方は5.8%で、長年、展示会の仕事をしてきた私にとって、これは驚くほど少ない数字です。「不満」「やや不満」の方々には、丁寧にヒアリングをしてその原因を分析し、よりよい展示方法などをアドバイスさせていただいています。これまでの開催を通じて蓄積した知見やノウハウも活用し、出展者が望む結果を出すためのお手伝いをさせていただいています。

2306_A-TANK_4

GOOD LIFE フェア2023 出展パートナーアンケートより(回答数:210 社)

出展者向け資料


GOOD LIFE フェア資料ダウンロード

感動と共感の出会いの輪を広げ、新たな「GOOD LIFE」のムーブメントを起こす

──2022年の第1回から着実にブースや出展者が増え、規模が拡大しているようですね。

 2022年の第1回は284ブースで来場者は1万8,948名。2023年の第2回は473ブースで来場者は3万5,371名でした。ブースは約1.7倍、来場者は約1.9倍に増えています。私は長年、展示会の企画運営に携わってきましたが、展示会というものは質と量が比例すると考えています。基本的に量が増えるほど、質も高まっていくのです。今後も出展者の増加に何より力を入れ、2024年10月25~27日に東京ビッグサイトで開催する第3回では600ブースを目指しています。

2306_A-TANK_5

──第3回では新たな取り組みなどを考えているのですか。

 基本的なコンセプトは同じですが、内容はさらにブラッシュアップさせていきます。一つはジャンルの融合です。例えば「健康&ビューティ 」エリアと「住まい」エリアの間で、それぞれのエリアの出展者の家具や化粧品を組み合わせた「豊かなライフスタイル」のテーマ展示をする。「GOOD FOOD & CRAFT」のエリアと「住まい」のエリアの間で、「楽しくよいものが食べられるキッチンとリビング」といったテーマで展示をする。そのようなことも検討しています。新聞社主催の展示会ということもあり、それぞれの分野の最新トレンドやキーワードをテーマにした特別展示なども面白いと思っています。例えば食の分野では「オーガニック」や「発酵食品」、防災分野では、普段使っているものを災害時にも活用する「フェーズフリー」といったものです。

──「GOOD LIFE フェア」がそのようなトレンドを後押しするとともに、ここから新しい商品やサービス、ムーブメントも生まれてきそうですね。

 それがまさに理想です。このイベントにはSDGsやサステナブルに関心の高い多様な企業や消費者が集まっています。そんなみなさんの思いや商品をつなぎ、感動と共感を社会に広げていくこと。それこそがメディア企業である私たちの役割です。それによって、新たな「GOOD LIFE」のムーブメントが、社会全体に広がっていくならうれしい限りですね。

──今後の中長期的な展望を聞かせてください。

 今は関東地方に限定したイベントですが、いずれは関西や九州など地方での開催、さらには台湾など海外での展開も考えられます。今後、特に力を入れたいのは、朝日新聞社の他の事業との連携です。出展した商品が朝日新聞社運営のメディアで特集記事として掲載されたり、朝日新聞社の通販事業で販売されたりといった連携は、第3回からも積極的に実施していきたいと考えています。

──最後に「GOOD LIFE フェア」への出展を検討している方へのメッセージをお願いします。

 今、消費者の行動は、こだわるものにはお金をいくらでも出すけど、そうでないものはできる限り安く済ませる、といった傾向になっています。ただ、メーカーのこだわりや思いを知りたがっている消費者もいます。自分たちのこだわりや思いをどのように消費者に伝えればよいか悩まれているメーカーも多いようです。私たちは、そんな両者の出会いの場をつくり、関係を深めるお手伝いをします。自分たちの商品のヒストリーや理念、サステナブルに対する思いを世の中に広めたいとお考えの方は、ぜひ出展いただきたいですね。そしてこのイベントに関わる全てのみなさんとともに、これからの「GOOD LIFE」をつくりあげていきたいと考えています。

出展者向け資料


GOOD LIFE フェア資料ダウンロード