「スマート・マス」とは、今まで20代、30代の情報感度が高いユーザーによって普及が進んできたスマートフォンが、2012年に入って高校生や主婦など一般層にまで普及することによって生まれた、新たなユーザー像のこと。具体的には、1日何時間もスマートフォンを使う女子高生、スタンプを用いたソーシャルメディアでのコミュニケーションに熱中する主婦・・・・・・など、昨年まで語られてきた“スマートフォンを使いこなす先端ユーザー”とは異なるユーザー像を指す。
調査※によると、これまでスマートフォンは、デジタル機器を使いこなす20~30代の層や、就職を控えた学生などを中心に普及してきた。昨年からは、これらに加えて10代を中心に、その他の年代にも普及が進んでおり(参考資料:「スマート・マス」の特徴①参照)、これに伴って、スマートフォンユーザーのサービス利用実態も変化しつつある。
初期に購入したスマートフォンユーザーほど有料アプリの利用数が多く、時間管理、タスク管理アプリなどビジネス向けアプリの利用率が高い傾向にある。一方で、新しく購入したスマートフォンユーザーは有料アプリの利用数が少なく、LINEなどの「通話・コミュニケーションアプリ」に代表される娯楽・コミュニケーション系アプリの利用率が高いことが判明している(参考資料:「スマート・マス」の特徴②参照)。従来考えられていた先端的なスマートフォンの利用イメージとは異なった、生活シーンに密着した比較的気軽なコミュニケーションやサービスの利用が浸透し始めていることがうかがわれる。また、その一方で、高機能化が進むスマートフォンを使いこなせないと感じるユーザーも増加しつつあるようだ(参考資料:「スマート・マス」の特徴③参照)。
今後スマートフォンが生活者の過半数に普及し、スマート・マス化が進むに従って、その利用シーンが「先端的な利用シーン」から「生活に密着したシーン」にさらに変化していくことが予想される。今後は、生活に根ざした利便性を有する身近なコンテンツやツール、娯楽性を有するコンテンツ等の開発が鍵となる。
調査時期 :2012年3月、10月
調査対象者 :10代~40代
調査地区 :全国
調査手法 :インターネット調査
サンプル数 :1,000サンプル
「スマート・マス」の特徴①
若年層への普及
「スマート・マス」の特徴②
一人当たりの有料アプリ数が減少、娯楽・コミュニケーション系アプリ利用が増加
「スマート・マス」の特徴③
スマートフォンを「使いこなせていない」ユーザーの増加