女性ならではの視点で新しい企画を発信することをミッションとして、昨年末、広告局の女性社員6人による「女性プロジェクト」がスタートしました。
メンバーで議論した結果、新聞の主要読者である、子どもがある程度成長し手を離れた年代くらいの主婦層が楽しめるような、ボリューム感のある生活情報特集がもっとあっていいのではないか、ということで意見が一致。3月から毎月1回、4ページフルカラーの広告特集を立ち上げることになりました。
広告特集のタイトルは『ボンマルシェ』(マルシェ=フランス語で『市場』の意)。築地をお膝元とする朝日新聞社から発信する、良質な生活情報が集まる市場をイメージしました。
主婦以外にも特集を認知してもらうことを狙い、特に主婦層になじみの深い夕刊ではなく、朝刊に掲載しています。家族が新聞を持って外出する場合でも、抜き取って家に置いていけるよう、センター版での掲載にこだわっています。
紙面は、女性誌の編集に長年携わり、豊富な知識やノウハウを持つ元『FIGARO JAPON』編集長の石川栄子氏が監修。ターゲット読者への理解が深い石川氏がディレクションすることで、より読み手の視点に立った紙面づくりができるのではないかと考えました。
『ボンマルシェ』ならではの取り組みといえるのは、「読者リポーター」を募集して、双方向コミュニケーションを目指している点。どれくらいの反響があるだろうかと思っていましたが、私たちの不安をよそに続々と応募が寄せられています。応募者には、夏くらいから本格的に紙面で活動してもらいます。
創刊号で実施したアンケート&プレゼントには、1万件を超える反響があり、大きな手応えを感じています。インターネットからの応募では、携帯電話を通じて主婦から多数寄せられました。紙面の接触率は全体で79.9%、40歳代の女性では94.7%という高スコアでした。生活面の平均面別接触率(東京本社版)70.4%と比較しても、本広告特集の注目度の高さがうかがえます。
また、朝日新聞購読者以外にも読んでもらうために、主婦層がよく利用する朝日カルチャーセンターや紀伊國屋書店等にも設置、3月4日の準備号は約1万部を配布しました。
今後も新たな読者の取り込みを図るべく、配布エリアを増やすのはもちろん、主婦層を集めたイベントほか、ウェブやテレビ番組との連動も検討しています。
読者にとって有益な情報をクライアントのニーズに合わせて発信していくために、より魅力的な企画に成長させるべく、可能性を探っていきます。
(広告局 女性プロジェクト)
2010年3月4日付 朝刊 4ページ
2010年4月8日付 朝刊 4ページ
<広告主の声>
『ボンマルシェ』について、広告主企業の担当の方からコメントをいただきました。(画像をクリックすると拡大して表示されます)
ブリタジャパン マーケティング部 PR&Communication 廣田直子氏
『ボンマルシェ』のターゲットや目指す方向性が当社ブランドと合致していることが、広告出稿のポイントとなりました。
BRITAをお使いのお客様は情報感度が高く、特に料理や暮らしまわりの情報に敏感な女性が多数です。また、私たちはBRITAを取り入れて日々の暮らしを豊かに過ごしていただきたいとの思いをこめ、さまざまな生活シーンにおいて、「BRITAで、ちょっとくらしが変わる。」を提案しています。
等身大の生活に少し加えてみたいアイデアや情報が得られる『ボンマルシェ』は、多くの女性にとってメリットがある特集だと思います。
『ボンマルシェ』では、「おいしい水のある暮らし」というテーマのもと、各界で活躍する方々のインタビュー記事を製品情報とともに連載しています。経験豊富な方々の水にまつわる話は興味深く、私たちにとっても新たな気づきとなっています。
朝日新聞の特性を生かしながら、読者の等身大の生活の刺激となるよう、旬な人物、旬な情報の提供を期待しています。
キッコーマン 経営企画室 コーポレート政策推進担当部長 大津山 厚氏
『ボンマルシェ』は、朝日新聞の信頼性やクオリティーを保ちつつ、女性にターゲットを絞り、生活に密着したコンテンツを明るく洗練された紙面で届ける、新聞と雑誌の双方の魅力を兼ね備えた企画だと感じています。
「おいしい記憶をつくりたい。」という私たちのメッセージと、当社製品が生活シーンで具体的にどのようにお役に立てるのかを魅力的に発信できる媒体を探していましたが、『ボンマルシェ』は、一方的な企業からのメッセージ発信ではなく、読者にとって価値ある情報に編集・変換してくれるのではないかという期待を持ちました。
「より多くの人に、ゆたかで健やかな人生を送っていただけるよう、お手伝いをしたい」という私たちの想(おも)いを、当社の看板商品「キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ」を使った料理レシピを交えて訴求する広告を、4月8日号に掲載しました。人気の料理研究家、枝元なほみさんにレシピをご紹介いただくことで、より魅力的で共感をいただけるものを目指しました。
今後、企業が理念を明示し、消費者とのコミュニケーションを通して業の質を高めていくことが、ますます求められますが、『ボンマルシェ』が媒体となって、私たちの想いを読者に伝え、読者からのフィードバックを得ることで、双方向コミュニケーションを活性化できればと思っています。
東京ガス 広報部 広告グループ 課長 小林直樹氏
高感度な主婦をターゲットとした『ボンマルシェ』は、当社がコアターゲットとする30代・40代の女性に訴求できることや、「食」を中心とした生活にかかわる情報が多いことが、広告出稿の大きなポイントとなりました。
準備号(3月4日号)、4月8日号ともに、『ボンマルシェ』編集部とタイアップし、記事体広告の形式で出稿しました。準備号では、今関心が高まっている「食育」をテーマに、東京ガスの活動を、当社の「食」情報センター・小西雅子が紹介。4月8日号では、料理することが大好きで、当社が提供するテレビやラジオ番組にも出演いただいている、モデルでタレントの浜島直子さんにインタビューしました(浜島さんは、TBSの『暮らしのレシピ』や、『世界ふしぎ発見!』にミステリーハンターとして出演中)。海外経験豊富な浜島さんが語る「料理に対する思い」とともに、当社の食についての取り組みを伝えました。
1ページ目の「Woman’s talk」のコーナーでは、読者目線にかなった生活感のある方や、ライフスタイルが魅力的な女性から、何気ない日常を素敵なものにするヒントがもらえることを、これからも期待しています。
また、主婦を中心とした『ボンマルシェ』読者が毎回発行を楽しみにするような、多彩な情報が満載の媒体になってほしいと思います。
ジェイアール東海ツアーズ
ターゲットが明確な、広告局主導による雑誌編集者の視点をからめた大型企画で、読者の高い注目を期待できると思いました。
創刊号では、レスポンスの獲得を目的に京都方面への旅行商品告知を展開しました。
これからも、良い意味で「広告タイアップ」らしくない雑誌テイストの紙面作りと、グループメディアを活用した新聞社の資産を生かした展開で、読者からのレスポンスの高い特集を目指していってもらえることを期待します。
そのほか、
「洗練された内容で、女性視点を意識したとても好感の持てる紙面だと思います。デザインやトピックが雑誌のような感じなので、時事問題を扱う紙面の中にありながら、主婦が家事の合間に楽しんで読めるのではないかと思います」というコメントをいただいています。