新聞には、リーチ、コンテンツ力、詳報性、信頼性、文化事業や宅配網などを通じた消費者との接点の多さやきずなの深さといった資産があります。朝日新聞社では、それらを生かし、さまざまな販促や、企業と生活者を直接つなぐ手法を開発・提供しています。ここでは、事例の一部を紹介します。
【朝日新聞コンテンツを活用した販促事例】
紀ノ国屋「おかず100選」POP
朝日新聞で毎週水曜日朝刊に掲載されている「おかず100選」。素材の味を生かしたレシピで人気を集めている同連載を、紀ノ国屋インターナショナルでの店頭ツールとして2次利用する試みが7月下旬から始まっています。同店では、店頭POPやレシピカード、店頭パネルなどを作成し、毎週水曜日、連載とともに更新。関連する食材などの販促につながると同時に、展示内容が毎週更新するコンテンツとして、売り場で買い物客に楽しんでいただいています。
全国の書店フェア 「EDO NOVELS」
2007年から半年ごとに行われている人気企画。江戸の暮らしや歴史を扱う小説を、出版社を横断して掲載した広告特集を発行するとともに、取次会社と協力して全国の書店で2週間の江戸ノベルズフェアを実施しています。広告特集では、メディアの編集力を生かし、江戸の暮らしや生き方をテーマに読みごたえのある記事を展開。同企画のフェアを実施している店舗を紙面で紹介し、さらに店頭で使用する専門のPOPや紙面の増し刷りも制作しています。出版社にとっては告知~店頭フォローまでをカバーする企画となったとともに、書店からもフェアに関連して江戸時代の古地図など普段なかなか表に出ない専門書も販促する機会となっていると、好評を得ています。
伊勢丹新宿店 ファッションイベント物販催事
新たなクリエーターの発掘を目指したシンマイ クリエーターズ プロジェクトに関連して、新宿伊勢丹が1階ザ・ステージで物販催事を行ったのに伴い、このプロジェクトを紹介する朝日新聞の記事を増し刷りして店頭に設置。増し刷りが分かりやすい説明ツールとして機能しました。また、朝日新聞社の会員組織「アスパラクラブ」でイベントの入場券をプレゼントする企画を行った際、反響が高かったことから、新宿伊勢丹での催事の案内と増し刷りを店舗の商圏に住む会員に送付し、来店促進を図りました。
【サンプリングの事例】
サンプル付きエリア広告(アース製薬のマスク「ウィルガード」)
アース製薬のマスク「ウィルガード」のサンプルをエリア広告に張り付けて東京・大阪の中心部エリアに限定配布しました。エリア広告に実際の商品を張り付けたのは初の試み。このエリア広告はタブロイド判4ページの体裁で、サンプルは見開き中面ページに右下に張り付けられていて紙面を開くと実商品が現れる仕掛け。配布を高所得者層と医療従事関係者が多い地域に限定し、合計30万部発行。また、朝日新聞本紙でも配布同日と翌日に広告特集「インフルエンザ対策特集」を掲載し、新型インフルエンザに加え風邪や季節性インフルエンザの罹患(りかん)率が高くなる季節に備えウイルス感染予防策を訴え、相乗効果を狙った仕掛けとなっています。
張り付けられたサンプル
朝日新聞エリア広告
サンプル付きエリア広告(ユニリーバ・ジャパン「ダヴ ビューティモイスチャーボディウォッシュ」
ユニリーバ・ジャパンのボディウォッシュ「ダヴ ビューティモイスチャーボディウォッシュ」のサンプルを張り付けたエリア広告を配布しました。同社が展開するテレビCMに合わせ、エリア広告を東京、神奈川、千葉、愛知で計約50万部配布。流通支援を狙いました。
ユニリーバ・ジャパン「ボディウォッシュのサンプルを張り付けたエリア広告を配布」についての詳細はこちら。/special/contents160038/
販売所( ASA )単位、または県単位で全国地域に配布が可能な別刷り広告媒体「エリア広告」について、詳細はこちら。 http://adv.asahi.com/modules/media_kit/index.php/areaad.html
ASAによるターゲットサンプリング(マルハニチロ食品「リサーラ」)
2009年2月、DHA入りソーセージ「リサーラ」のプロモーションとして、子どものいる家庭を選び、その家庭に対して商品1万本をサンプリングした。「短期間のうちにターゲディングされた家庭に大量のサンプルを直接届ける」業務を、新聞社の販売店機能を活用して実現した。単なるポスティングだけではなく、地域になじみのあるASA(朝日新聞販売所)が訪問して手渡しする機会を新聞広告とセットで活用した事例。
妊婦にむけたフリーペーパー『Anetis(アネティス)』
広告掲載とともに病院でサンプリングを実施(グループセブジャパン「ティファール」)
朝日新聞社では、妊婦を中心とした若い女性と産婦人科医をむすぶコミュニティーペーパー(広告特集)『Anetis(アネティス)』を発行しています。雑誌『AERA with Baby』(朝日新聞出版)が責任編集。日本産科婦人科学会の協力のもと、そのネットワークを生かし、全国約2,000カ所の産婦人科・病院などの医療機関で配布しています。
妊産婦を中心とする若い女性たちに妊娠、出産、育児、自分の体と健康についての正しい知識・情報を提供する本特集は、病院で配布されることで、信頼性の高い媒体として妊産婦から受け止められている。2009年7月に発行したvol.5では、赤ちゃんのミルクづくりに役立つティファールの電気ケトルの広告を掲載。同時に、同商品のリーフレットを235病院に配布し、退院時に手渡してもらいました。また、首都圏の15病院にはケトルを提供し、助産婦さんによる調乳指導時に、実際にケトルを使用してもらうプロモーションも展開しました。
【狙った層との接点開発】
本社催事での内覧会(DIAMアセットマネジメント)
興銀第一ライフ・アセットマネジメントは2008年1月にDIAMアセットマネジメントに社名を変更。新社名認知にともなうコンタクトポイントと、そこからの顧客接点創出を目的として、2008年7~8月に開催された「対決―巨匠たちの日本美術」に特別協賛。展示作品を企業広告のクリエーティブに使用して、ターゲットの多い大手町、新橋などで交通広告展開したほか、展覧会で販売した図録に社名を入れ既存顧客に配布しました。さらに、会場の東京国立博物館を貸し切りにして特別顧客を招待した内覧会とパーティーを開催、特別感をもった顧客接点の場としてプロモーション活用しました。朝日新聞社では文化事業を各企業のマーケティング活動の場として活用していただけるよう、協賛メリットの創出を図っています。
新聞社催事と連動した販促企画(紀伊國屋書店)
2009年3~9月に東京と福岡で開催された「国宝 阿修羅展」は計約166万人の来場者を集め、「阿修羅ブーム」を巻き起こしました。東京国立博物館で開かれた日本美術の展覧会として史上最多を記録、福岡では九州で開催された展覧会の動員数を43年ぶりに更新しました。
朝日新聞紙面では、「国宝 阿修羅展」とタイアップし、関連書籍を集めた広告特集(全15段)を開幕前日の朝刊に掲載。展覧会場で発行する記念号外にも併載し、会期中の来場者に約30万部を配布した。さらに、都内の紀伊國屋書店6店舗での「仏像に会いに行こう!フェア」ではPOPを掲示し、記念号外(1,000部)を配布しました。
ASA(朝日新聞販売所)が届ける月決め購読誌(プレゼント社)
プレジデント社の雑誌『プレジデント』『dancyu』『ALBA』を、1都3県全域のASA(朝日新聞販売所)で取り扱っています。購読申し込み者は、希望の好きな期間だけ定期購読でき、料金を新聞代金と一緒に1カ月単位で支払うシステム。このシステムを告知するプレジデント社のエリア広告(約340万部)を配布しました。
雑誌を「つい買い忘れてしまう」「買いに行くのが面倒」「近くに書店がない」といった悩みに応え、好評を得ています。
【新聞広告による販路拡大】
新聞広告掲載を機に全国の有名店に販路(レーベン販売)
「ののじ」ブランドで学校給食器具を企画、開発、販売するレーベン販売は、一般向けに応用したキッチンツールなど独創的な商品開発を行っている。2007年7月にはキッチンツール「穴あきオタモ」を一般にも広く販売していくこを目的に、ブログを活用し実際に商品を使用した生の声を集めた新聞広告を掲載しました。クチコミサイトを活用し、ブログと新聞広告を組み合わせた効果は多大で、掲載から1カ月以上たってもブログへの書き込みやトラックバックが続きました。同時に、同社では新聞広告掲載を機に、全国の有名百貨店・専門店と交渉を進め、多くの売り場の棚に商品を置いてもらうことができ、販路の拡大を実現することができました。
【商品作りに役立った事例】
「アスパラクラブ」アンケートを反映した特別パッケージを販売(デル)
2009年8月、朝日新聞の無料会員サービス「アスパラクラブ」の会員に対し、パソコンの利用状況や、疑問・要望などを聞くアンケートを実施。デルがそれを商品に反映した「特別パッケージ」を、1週間の期間限定で販売する企画を実施しました。アンケートデータを活用することで、パソコンユーザーの声を広く集め、パソコンビギナーの素朴な疑問を明確に反映しました。デルは、5,320人もの回答からカスタマイズし、説得力のある商品を打ち出すことができました。朝日新聞社が持つ多くの優良な会員と、新聞の信用力を生かした企画となりました。
【環境コミュニケーションに朝日新聞コンテンツを活用】
「2010年のキーワードは「生物多様性」
朝日新聞社では、環境や社会に配慮する企業の経営理念や、商品・技術の情報が読者に効果的に届けられるよう、紙面やイベント、さまざまなプロジェクトを通じて環境関連情報を発信しています。2009年9月の朝日地球環境フォーラムでは、鳩山首相が中期目標として温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減をめざすと明言するなど環境分野において朝日新聞のさまざまな活動を有効に活用できる下地ができあがっています。
世界各地の環境激変に迫る「地球異変」の写真パネル展を開催し、売り場への来場者増を図った事例や、環境教育プロジェクト「地球教室」への協賛により学校・教育関係者との接点が拡大できた事例など、朝日新聞コンテンツを活用して様々な環境関心層にアプローチすることが可能です。
2010年3月~9月には国立科学博物館にて「大哺乳(ほにゅう)類展」を予定しています。
来る2010年10月に名古屋で開催予定の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)を控え、「生物多様性」をキーワードに顧客との新たな接点を開発していきます。