ポストバブル期と現在の経済環境と世相の変化は、「時代を映す鏡」である新聞広告の世界にも反映しています。ここでは、ポストバブル期と現在の広告を比較することで、景気後退期に新聞広告が果たせる役割やヒントを探ります(社名は掲載当時に準じます)。
値ごろ感(品質・価格指向)
一定の品質を保ちつつも低価格な「値ごろ感」のある商品がもてはやされました。
ポストバブル期の新聞広告
 大沢商会
大沢商会1993/9/6 朝刊
「リーズナブル。」
 日本ゼネラルモーターズ
日本ゼネラルモーターズ1992/5/13 朝刊
「これからも、
比べてください。」
現在の新聞広告
 ファーストリテイリング
ファーストリテイリング3/19 朝刊
「非常識なジャケット。」
 西友
西友2008/11/13 朝刊
「KY(カカクヤスク)でいこう!」
 イオン
イオン3/19、4/1 朝刊
「イオンの反省」「イオンの実行」
企業宣言
景気後退に際しながらも、将来に向けて企業ビジョンを訴える広告が目立ちました。
ポストバブル期の新聞広告
 日産自動車
日産自動車1991/4/23 朝刊
「環境問題に対して、日産がしていること、
しようとしていること、現状ではできないこと。」
 日立製作所
日立製作所1991/1/1 朝刊
「日立は、日本の会社ではなくなろうとしている。」
現在の新聞広告
 良品計画
良品計画2/20 朝刊
「水のようでありたい」
 花畑牧場
花畑牧場3/31 朝刊
「みんなを幸せにする会社」
景気後退へのアンチテーゼ
不透明な景気情勢を逆手に取るコピーが時代をとらえます。
現在の新聞広告
 宣伝会議
宣伝会議2008/11/30 朝刊
「不況の日本、広告しよう。」
 MISAWA・international
MISAWA・international3/26 朝刊
「200年住宅 不況を生き抜くための
サバイバル対応住宅」
家庭回帰
時短や残業減に伴い、家庭回帰にシフトする傾向がありました
ポストバブル期の新聞広告
 東京ガス
東京ガス1992/12/16 朝刊
「今日は、まっすぐ帰る日です。」
 JR東海
JR東海1992/6/1 朝刊
「日本を休もう」
 味の素
味の素1992/10/22 夕刊
「お料理を教えていますか、
お母さん。」
現在の新聞広告
 高橋書店
高橋書店1/3 be
「GW5連休。秋も5連休。」
 エイチ・アイ・エス
エイチ・アイ・エス3/13 朝刊
「定額給付金で行こう!
安い近い短期間」
 キッコーマン
キッコーマン3/22 朝刊
「春の訪れは、ごはんでわかる。」
 
                                                         
                                                        