夕刊マルチでドラマ仕立ての「ストーリー広告特集」 新聞とウェブで読者層に広がり

 朝日新聞社は、1月27日(月)の「求婚の日」に合わせ、同25日(土)付の東京本社版夕刊で「夕刊ストーリー広告特集 ふたりの時計」を実施した(同28日当サイトにて既報)。この企画は、夕刊のすべての広告枠を使い、紙面をめくるごとにストーリーが進むマルチ広告。企画の背景や制作プロセス、反響などを紹介する。

若年層での話題作りとして立案 広告もトーンに合わせて制作

「ふたりの時計」 「ふたりの時計」

 「夕刊ストーリー広告特集 ふたりの時計」は、別れたカップル(ムロツヨシさん、貫地谷しほりさん)が一年後に仲直りしてプロポーズに至るまでを追い、各シーンを広告主が協賛する広告特集だ。夕刊の一面から「男性編」、最終面から「女性編」の物語が進み、男女それぞれの思いが表現される「連続ドラマ」になっている。そして紙面の中央の見開き二連版がクライマックスのプロポーズシーンに。それぞれの見開きには、一話分のストーリーとその対向面に広告が掲載される仕掛けだ。
  また、朝日新聞デジタルの「&TRAVEL」にも特別サイト を開設し、ストーリーを映像化した13分のショートムービーを1カ月限定で無料配信した。

 企画立案の狙いは「俳優が登場するドラマ仕立てのストーリー広告特集」という目新しさで、とくに新聞を読んでもらいたい20~40代の間で話題を作り、新聞の面白さを身近に感じてもらうことだった。

「心の旅時計」 「心の旅時計」

 「ストーリー広告特集」は今回で2回目。第一弾は2013年11月16日(土)に同じく東京本社版夕刊で、モデルの佐々木希さんを起用してを実施した。「人生と旅」をテーマにページをめくるごとに女性が成長していくストーリーだ。夕刊に商品広告を出稿することの多い旅行会社に対して、商品ではなく旅の楽しさをブランド広告で表現することを提案した。朝日新聞デジタルの特設サイトで紙面未掲載の写真などを公開したところ、フェイスブックで4千件の「いいね!」を獲得するなど、限られた期間にもかかわらず大きな反響を呼んだ。

 今回の「ふたりの時計」は、ホテルなどのウエディングフェアの開催シーズンで「求婚の日」もある1月下旬を狙い、テーマを「プロポーズ」に。対向面の協賛広告のコピーもストーリーのトーンに合わせて、全ての広告原稿を朝日新聞社内で制作した。

 さらに、脚本、キャスト、制作スタッフなど制作陣の編成、撮影ロケも広告局で行った。時間と労力をかけた取り組みだが、「既存にないスタイルの広告手法」を広告主企業に提案する機会にもなった。

※画像は拡大します。

2014年1月25日付 夕刊

2014年1月25日付 夕刊 マルチ 4-5面 4-5面
2014年1月25日付 夕刊 マルチ 2-3面 2-3面
2014年1月25日付 夕刊 マルチ1面 1面
2014年1月25日付 夕刊 マルチ 10面 10面
2014年1月25日付 夕刊 マルチ 8-9面 8-9面
2014年1月25日付 夕刊 マルチ 7面 7面
2014年1月25日付 夕刊 マルチ 16面 16面
2014年1月25日付 夕刊 マルチ 14面 14面
2014年1月25日付 夕刊 マルチ 12-13面 12-13面

他メディアでのPRも実施 読者層の拡大を図る

 掲載後の反響は、1カ月という短期間にもかかわらず、特設ウェブサイトは約22万PVを記録、動画の再生数は約20万回に及ぶなど大きな反響があった。ツイッターでは「普段、夕刊はあまり読まないけれど、こんな特集は初めて見た」という読者のつぶやきもあった。協賛した広告主企業からも企画に対する高い評価を得ることができた。

 さらに今回は掲載日に合わせ、グーグル・ディスプレイ・ネットワーク(GDN)を活用して、オリジナルバナー広告の配信も行った。「新聞+ウェブ」の展開で、ターゲットである20~30代女性に、特設サイトにもアクセスしてもらうことを狙った。

 新聞の読者は50代以上が多く、特設サイトの閲覧者は20代後半~40代半ばの女性が中心で、ウェブ動画の閲覧層が新聞の読者には少ない層を補う効果があった。新聞とウェブによる、いわば「オフライン・プラス・オンライン」(O+O)のモデルで、今後の新聞広告の可能性を感じることができた。

 この「ストーリー広告」は今後、動画やストーリーの中に協賛広告主の商品を登場させる「プロダクトプレースメント」の導入を検討するなど、内容をさらに充実させて実施していく予定だ。

(東京本社広告局 広告第4部)

<参考記事>

ムロツヨシと貫地谷しほりが「求婚の日」で共演! 同時進行ストーリーを夕刊と動画で展開