東日本大震災で大きな被害を受けた町に、活字メディアである新聞社が出版社とともに何かできることはないだろうか？
そんな思いから生まれたのが避難所に本をお届けする「スマイル ブック プロジェクト」である。毎日避難所に新聞をお届けしている新聞輸送のロジスティックを活用して、本社の広告局、販売局とASA（朝日新聞販売所）が協力して、約170カ所の避難所に本を届ける体制を整えた。独自の支援活動をしている出版社もあったが、避難所で不自由な生活を余儀なくされている人たちの心の支援に、少しでも本が役に立てば、という強い思いと、直接かつ確実に避難所に届けられるASAの配達システムへの信頼から、たくさんの出版社に賛同いただいた。

　紙面制作にあたり、「本とは人に力を与えるものである」というメッセージを発信することを意識した。出版各社に厳選していただいた「避難所に贈るこの一冊」を紹介し、著者または出版社からの応援メッセージをそれぞれの本に添えることで、制作者の思いを伝え、被災地へのエールとなるようにした。

　紙面のメーンコンテンツとなったのは、避難所の取材リポート。そこで生活する人たちの現状を伝え、今後の生活でますます必要になるであろう心の支援に「本」が役に立つ、という話を掲載した。協賛いただいた出版各社への報告紙面にもなったと考えている。

（東京本社広告第一部）