広告主参加の部 最高賞は、日本精工の「マサツシリーズ」
朝日新聞社(本社:東京都中央区築地5-3-2)が、新聞広告の発展と次世代を担う広告制作者の発掘を目指し実施している朝日広告賞の08年度受賞作品が決まり(応募総数は1部で2,114点、2部で379点)、4月9日、東京の有楽町マリオン・朝日ホールで贈呈式が行われました。広告主の課題に基づく作品を一般公募した第1部では、電通の大山徹氏、ビーコンコミュニケーションズの後藤純氏、石神敦子氏が最高賞を受賞。朝日新聞に掲載された広告作品の中から広告主が応募した第2部では、日本精工の「マサツシリーズ」が最高賞に選ばれました。
■ 第1部・一般公募
第1部の最高賞は、電通・大山徹氏、ビーコンコミュニケーションズ・後藤純氏、石神敦子氏の、小学館の課題「小学一年生」による作品。大人が子供に言い聞かせていることを、大人自身が無視している現実に目を向けた3点シリーズです。
道端に積み上げられたごみの山に「残さず、食べなさい。」、飛行中の戦闘機に「ケンカはやめなさい。」、パックされた牛肉に「なんでウソついたの?」と添え、全体を「大事なことは、最初に学ぶ。」という共通コピーがくくっています。戦争、廃棄、偽装などの社会悪をあぶりだした、メッセージ性の高い点などが評価されてグランプリに輝きました。
第1部の準朝日広告賞は、計3点。イマドキの若者たちのスナップ写真に赤塚不二夫漫画の名ゼリフ「これでいいのだ」を合わせた、「出版共通課題」を扱った作品、美しい日本名山をグラスに映したサントリーの作品、年賀状をテーマに人と人のきずなを表現した日本郵便の作品が選ばれました。
■第2部・広告主参加
第2部最高賞は、日本精工の5点シリーズ広告。さまざまな機械に内蔵されているベアリングの機能を、人間の感情に重ね合わせて表現しています。乳児から老人まで幅広い年代の横顔写真の上に、赤字で書かれたコピーが「他人との摩擦の風景」を浮かび上がらせ、「機械の摩擦を減らす会社」であることを伝えた広告です(企画=電通)。審査委員からは、「けなげに自分の人生を歩もうとする人びとにエールを送りながら、的確に商品を説明しているところが卓抜」と、高い評価を得ました。
第2部の準朝日広告賞には、三越の「元旦企業広告」、東芝の「環境広告」(一般白熱電球製造中止)、和光「和光本館リニューアル告知」、資生堂「企業広告+エリクシールプリオール」、宣伝会議「求人」が決定。