創刊記念日に、130年分のニュースを凝縮

 1月25日、創刊130周年を記念し、創刊の地・大阪本社で全8ページの別刷り編集特集「朝日130年新聞」を発行した。130年分のニュースを1部の新聞に凝 縮するというコンセプトのもと、レイアウトも新聞本紙と同じものにするほどこだわってこれまでにない「新聞」を発行した。

 1面のトップニュースは「アポロ11号の月面着陸」。130年分の記事の中からトップニュースを選ぶ作業には数日を要したが、「明日に希望が持てるようにしよう」という思いを込めて決まった。同じ面には、新憲法施行を配して取り上げる内容に幅を持たせるようにした。また、1964年の東海道新幹線開通と2008年の初代新幹線0系の運転終了が隣接して記事になるという、時代の流れを感じることもできる新聞になった。編集局内の各所から「キャンディーズに関する記事はぜひ入れ たい」「我が故郷のニュースが少ない」などの声が寄せられるなど、社内でも盛り上がりをみせた。

 制作過程における苦心も多く、大半の記事が今回改めて手打ちで入力された。明治〜昭和の記事には、現在では許されない容疑者の呼び捨てやプライバシーにかかわる部分がままあったほか、用語表記を現代仮名遣いに改めたりルビを振ったりと、推敲(すいこう)には予想以上に手間がかかった。校閲には普段の5倍の手間ひまを要した。

 そうした結果、130年の時を超えて走り続けてきた朝日新聞の歴史と重要性を伝える媒体として読者からも見てもらえるものになった。掲載後のモニター調査では、接触記憶も高く、「なつかしい」「歴史が感じられる」「おもしろい」という評価が得られた。また、紙面について「すでに話題にした」と答えた人も予想以上の数で、話題の広がりもうかがえた。実際、ブログには「永久保存する」という書き込みや、オークションサイトへの出品もみられた。自由回答からも、「歴史を感じた。どんどん変化していく世の中で、新聞はかけがえのないものだということを深く思った」「とてもインパクトがあり手を止めて見ました」という好意的な意見が寄せられた。

 これまでにない切り口の紙面に、広告主からも高い評価を得た。「朝日130年新聞」は、新聞の原点にかえりつつも、温故知新のツールとして新たな活用策を示すことになった。

(大阪本社編集局・広告局)

1/25 別刷り編集特集 大阪本社版 (8ページ中5ページ)

1/25 別刷り編集特集 大阪本社版(8ページ中5ページ) 1面 1面
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