「源氏物語千年紀」を記念し、フォーラムを開催 格調あるデザインの広告特集で採録

俵万智さん、林真理子さん、加賀美幸子さんによる「源氏女性フォーラム」のトークセッション 俵万智さん、林真理子さん、加賀美幸子さんによる「源氏女性フォーラム」のトークセッション

今年は源氏物語が記録の上で確認されてからちょうど千年。これを記念し、京都を中心に全国で一千を超える催事が行われてきた。

 その中核イベントのひとつとして、10月30日、源氏物語の個性豊かに描かれた登場人物を通じて、女性の生き方について考える「源氏女性フォーラム」を有楽町朝日ホールで開催した。基調講演に瀬戸内寂聴さん、トークセッションには俵万智さん、林真理子さん、加賀美幸子さんにご出演いただいた。650人の定員に対し、13,000人の応募があり、出演者の人気と源氏物語への関心は非常に高かった。当日の歩留まり率も85%を超える高水準。出演者が独自の鋭い視点から繰り出す軽妙なお話でフォーラムは和やかに進み、会場ロビーで展開した協賛・協力社のブースも大盛況だった。

 このフォーラムの内容も採録した「源氏物語千年紀」広告特集を、11月1日付に4ページで掲載。紙面作りでは、協賛社の広告がより引き立つように、アートディレクターと綿密に打ち合わせ、格調あるデザインと親しみやすい内容にこだわった。中面に読み物が多いこともあり、フロント面には、源氏絵の中でも格式が高いとされる伝土佐光芳筆「源氏物語図屏風(びょうぶ)(石山寺蔵)」を大きなスペースで贅沢(ぜいたく)にあしらった。また、多くの人が源氏物語に触れるきっかけとなっている漫画『あさきゆめみし』の著者である大和和紀さんのインタビューを載せた。

 メーンの見出しは「紫のゆかり、ふたたび」。これは、「光源氏とその最愛の女性であった紫の上を巡る壮大な物語」を意味する言葉だが、あえて最初に「千年」という文言を使わずに、抽象的だが語感の美しい言葉を選び、「何だろう?」と読者の興味を喚起することを狙った。

 4ページの広告特集は、白色度の高い紙で増し刷りし、天皇・皇后両陛下ご出席のもと京都で開催され、「古典の日」制定が宣言された「源氏物語千年紀記念式典」において、自治体・企業関係者、一般参加者に計2,300部配布した(式典は、広告特集掲載と同日)。

 本企画には月桂冠、サントリー、文芸社、JR東海、明治大学のご協賛、ご協力をいただいた。広告特集に加え、増し刷りの配布、フォーラムでのブース展開、サンプリングなど、企画を共同運営した電通とも力を合わせ、源氏物語という素材の力を生かした、広がりのある展開を提供できたのではないかと思う。

 今後も世の中に対して訴求力のある、時宜に合ったコンテンツを活用した企画を提案していきたいと考えている。

(東京本社広告局 業務推進担当 藤田光一郎)

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11/1 朝刊