環境問題の大切さを訴える野外音楽イベント「ap bank fes」を紹介

つま恋で開催された「ap bank fes '07」。会場は大勢の来場者で埋め尽くされた つま恋で開催された「ap bank fes '07」。会場は大勢の来場者で埋め尽くされた

 ap bankとは、環境プロジェクトに融資を行う目的で設立された非営利組織である。2003年、音楽プロデューサーの小林武史氏とMr.Childrenの櫻井和寿氏に、Artists' Power(2001年に設立されたアーティストによる自然エネルギー促進プロジェクト)の発起人でもある坂本龍一氏を加えた3人が資金を拠出して活動が始まった。2006年末までで、累計44件にのぼるプロジェクトに低利の融資を行ってきた。

 そのap bankが、毎年7月中旬に静岡県のヤマハリゾートつま恋で開催する野外音楽イベントが「ap bank fes」である。日本の大物シンガーたち(過去、桑田佳祐氏や小田和正氏、ASKA氏らが出演)の歌を3日間で一挙に聴くことができる。今年は加藤登紀子さん、絢香さんらが出演した。

 このフェスの最大の魅力は何と言っても、自然いっぱいで開放的な雰囲気につつまれた会場で、Bank Band(小林氏、櫻井氏と実力派ミュージシャンがこのフェスのために結成したハウスバンド)が支えるひとつの大きな流れに導かれ、次々と登場するアーティストたちが地球や自然への想(おも)いを切々と訴えていくスタイルである。また、イベントの趣旨にそって、ごみ分別など環境や自然への配慮が隅々まで行きわたっており、来場者は「この場、この時間」を共有できたことに喜びを感じることができる。

 「サステナビリティープロジェクト」を通じて持続可能な社会の実現を訴えてきた朝日新聞社は、ap bankの活動に早くから注目し、コラボレーションの可能性を04年から模索。別刷り広告特集(06年2月16日付)や本紙広告特集(06年12月5日付)などを通じ、小林氏や櫻井氏の想いとap bankの活動を一般に広めてきた。

 こうした3年にわたる協業が評価され、「ap bank fes '07」を広告特集として掲載する承諾を新聞社として唯一ap bankから得ることとなった。初特集となった、07年7月12日付朝刊(東京本社版)に掲載した15段の広告特集では、小林氏と櫻井氏のフェスにかける意気込みを伝えるとともに、今回初めて追加で開くことになった前日祭「eco-reso+(plus)」の告知を行った。

 残念ながら、大型台風の影響を受け前日祭は中止となり、ステージ開催は1日のみとなったが、「音楽を通して身近なエコ意識を共振・共鳴させていきたい」というライブステージは、過去2年に勝るとも劣らない感動を与えた。告知と同様、特集の趣旨に賛同していただいた環境省からの協力を得て、12月16日付朝刊(全国版)に15段の採録広告特集を掲載した。

 折しも洞爺湖サミットが開かれる今年は、ap bankの活動がスケールアップする予定だという。さらに多くの広告主の賛同を得ながら、ap bankの取り組みを誠実に伝え、エコ意識の共振と共感の輪を広げていきたい。

(東京本社広告第5部田中哲史、コンテンツ・プロモーション部 飯田雅裕、元広告委員 宮崎伸夫)

 2007年 7/12 朝刊
 2007年 12/16 朝刊