コロナ報道は新聞社の総力戦。注目集める重厚な「論考集」「東京100days」首都はどう動いたかをビジュアルで

緊急事態宣言発令、記事を原則無料公開

 4月7日の緊急事態宣言発令と同時に、朝日新聞デジタルはすべての記事を原則無料公開としました。正確なニュースを素早くお届けすることで、不確実な情報による不安を軽減したいと考えたからです。この取り組みは段階的に解消しましたが、健康や生活に直結する情報コンテンツは今も、無料会員登録をすれば誰でも読めるように工夫をしています。

超特急で公開「都道府県別ページ」

 ページビューも訪問者数も大変な規模になる中で、デジタル編集部の記者たちは「コロナ×地域名」という検索が、毎日一定数のあることに気がつきました。記事本数を増やすだけではなく、各地の状況を分かりやすくしなくてはと、都道府県別のコロナ特集ページづくりに着手しました。まずは各県ごとの記事リストを超特急で公開。続いて県別の感染状況データを盛りこみ、さらにグラフも、各地の記者のSNS発信も…。これらのページは今も毎日更新中です。

プレミアムA「東京100days」

 厳選したニュースやルポルタージュを、最新の表現方法で分かりやすく伝えるシリーズ「プレミアムA」。コロナ危機での1作目は「東京100days」です。感染拡大と医療崩壊危機に直面した首都の100日間を、生データと知事らの発言録を重ねたビジュアルで表現しました。国内外のデザイン賞を受賞してきた専門チームが取材チームと連携。企画によっては1年がかりで取り組むプレミアムAですが、テレワークの制約を乗り越えて約1カ月で完成しました。SNS上では「感染者数が視覚化されて大変良い」 「分かりやすい」「なんかすごいの作ってきた」といった評価が相次ぎました。

現代の知性たちの論考集

 エマニュエル・トッド、斎藤環、ジャレド・ダイアモンド、高橋源一郎、中島岳志、福岡伸一、ユヴァル・ノア・ハラリ、養老孟司……(敬称略)。

 書店の平積み棚で見かけるような論客がずらり。混迷する世界を読み解いた寄稿やインタビューを集めた「コロナ後の世界を語る 現代の知性たちの視線」の顔ぶれです。

 歴史学、政治学、生物学などそれぞれの視点からの論考は、どれも腹にズシンと来るものばかり。スマホで読むにはやや長いため、本当に読まれるのかという不安もありましたが、幅広い世代から支持されました。このシリーズが、いまも一番人気があります。こま切れの情報があふれる中で、新聞社ならではの「じっくり考えるコンテンツ」が求められていたようです。(朝日新聞デジタル編集長・大西滝子)


asahi.com から「朝日新聞デジタル」に生まれ変わって、来年2021年で丸10年。常に新しい配信スタイルに挑戦し続けることができるのは「ニュースを深く理解したい」と考え、支えてくださる読者の皆様のおかげです。今回のコロナ危機でも新しいコンテンツに挑戦しています。

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