ウェブメディア「SDGs ACTION!」をスタート ユーザーとともにSDGsのムーブメントを創出する「行動」のためのコミュニティー

 朝日新聞社は2020年10月、新しいウェブメディア「SDGs ACTION!」をスタートしました。「ともに考え、ともにつくる」という理念にもとづき、SDGsを共創することを目指すメディアです。

SDGs ACTION!

 大のドラマ好きで、新シリーズがあるとまずは録画して初めの数回を見てみるのですが、昨秋に放送されたドラマを見ていて、びっくりしたことがありました。

 コンビニのスイーツ開発をめぐる恋バナというたわいのない物語の中で、中村倫也さん扮する社長が「次の商品開発のテーマはSDGsで」と切り出すのです。他の登場人物から特に「SDGsって?」という突っ込みもなく、自然にストーリーは流れていきます。

 ドラマの性質上、ターゲットとする視聴者は10代後半~30代前半といったところかと思いますが、この世代にはSDGsがもう当たり前のワードになっているのか、と再認識させられました。

高橋万見子氏 朝日新聞社 メディアビジネス担当補佐
SDGs ACTION!編集長
高橋万見子

 No one will be left behind―.「だれ一人取り残されない」を掲げて国連がSDGs(持続可能な開発目標)を採択したのは2015年のことでした。経済・社会・環境にまたがる17の目標と169のターゲットが示され、先進国・開発途上国を問わず2030年までに達成することが宣言されました。

 期限まであと10年です。ここにきて、重要なステークホルダーである企業の取り組みが本格化してきました。それでも全目標をやり遂げるには相当の困難が立ちふさがります。担当者の方々には「何をやったらいいのかわからない」「従来の社会貢献(CSR)との違いを示すのがむずかしい」「経営層と若手は理解が進んでいるが、ミドルマネジメント(中間管理職)層に浸透させるにはどうしたらいいか」といった悩みも。新型コロナウイルスという新たな難題も浮上しました。

 SDGs ACTION!は、まさに「行動」のためのメディアです。企業や自治体、教育機関、NPOなどSDGsを推進しようとする人たちに伴走し、ともにムーブメントをつくりだすことを目的とします。

 コンテンツは大きく三つ。目玉は「Voice of Leaders」です。社長や行政の長、学長らトップをはじめ、SDGsのリーダーとして立つ方々へのインタビューです。記者経験の豊富な編集部員や編集局の編集委員らが、企業価値や社会との対話に関する新しい考え方や事業の方向性をお聞きします。個人としての体験も率直に語っていただき、SDGsのリーダーにとって必要な要素や、仕事を進めるうえで参考になるお話をお届けします。ユーザーのみなさんにとっては、リーダーがどれだけ自分の言葉で語っているかを見ることができ、その組織の本気度を知る材料にもなると思います。

 二つめは、「How we try」。取り組み事例の紹介です。どんな組織・団体がどんな事業や活動をしているのか。きれいごとで済ませず、直面した課題や乗り越え方も紹介し、同じような課題に悩む人にとって役立つ情報を積極的に取り上げていきます。テーマごとに比較したり、同じ業種での違いを見たりすることもできるようになります。これら二つのコンテンツは定期的にテーマをもって打ち出す「特集」でも展開します。

 三つめは、SDGsの専門家やノウハウをもった方々によるアドバイス、初めてSDGsに触れる人でもわかりやすい基本的な解説ガイド、SDGsを事業に取り込むのに知っておくべき統計・データの活用法など、実践的な情報です。連載やコラムの形でお届けしていきます。

 このほか、オン・オフラインでの交流会、勉強会も企画していきます。朝日新聞社が主催するイベントに登壇したゲストを囲んでのセミナーや、企業、自治体、スタートアップ、若者といった異分野を結んで、新たなアクションにつなげていくメディア(媒介)としての役割を果たします。2020年10月末には第1回 SDGs ACTION! LIVEとして「アメリカ大統領選と気候変動」をZOOM配信させていただきました。

「SDGs ACTION! 3」

冊子「SDGs ACTION! 3」の誌面から

第1回 SDGs ACTION! LIVE

第1回 SDGs ACTION! LIVE
「アメリカ大統領選と気候変動」をライブ配信

 まだヨチヨチ歩きの段階ですが、私たちの志と方向性は明確です。新聞と違い、ウェブは双方向な情報でもあります。私たちが一方的に発信するだけでなく、ユーザーのみなさんからどんどんご意見やご要望をいただき、ともに企画・運営していくコミュニティーとして発展していきたいと考えています。

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