COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)が名古屋で開催された今年、名古屋本社広告部では地元の読者や生活者の生物多様性問題に対する注意を喚起すべく、さまざまな企画を展開しました。ここでは、それぞれの概要を紹介します。
愛知県の7大学による大型企画「朝日新聞・メ~テレ 環境7大学集中公開講座2010」
COP10(生物多様性条約第10回締約国会議)の開幕前日(10月10日)と当日(10月11日)に、「朝日新聞・メ~テレ 環境7大学学生集中講座2010」の大型広告特集を、本紙名古屋本社版に掲載しました。
本企画は、一般市民や次世代を担う大学生を対象に、環境意識の高い著名人を招き、愛知県内の7大学にて環境意識を高める集中公開講座を実施するというもので、今年で3回目を迎えました。公開講座から学んだことや、環境問題についての考えを7大学の学生に語り合ってもらい、その内容の採録を10月10日に掲載しました。
また、今回は新たな取り組みとして、7大学から2人ずつ集まった14人の学生を中心に「環境7大学学生プロジェクト実行委員会」を組織し、学生発信の環境ムーブメントを創出するプロジェクト「名古屋キャンドルナイトフェスタ」を開催しました。
今年4月に里山体験ツアーを実施し、その後毎週の会議を経て、学生自らが主体となって行う事業を決定。竹林整備を行いながら、1年で4万種の生物が絶滅することにちなんで4万個の竹灯籠のキャンドルを制作し、9月にキャンドルナイトを名古屋の白川公園で実施。その模様は、朝日新聞の編集紙面やメ~テレの「どですか!」番組内のコーナーで紹介されました。
学生たちの自主的な活動に、来場者からは「猛暑の中、竹を伐採して4万個ものキャンドルをつくる、学生の力はすばらしい」といった、賞賛の声が寄せられました。
(名古屋本社広告部学校担当)
「朝日新聞・メ~テレ 環境7大学集中公開講座2010」
◆主催:朝日新聞社
◆協力:メ~テレ
◆後援:愛知県・名古屋市
◆連携協力:生物多様性条約第10回締約国会議支援実行委員会
◆協賛:愛知学院大学、愛知工業大学、愛知淑徳大学、中京大学、中部大学、南山大学、名城大学
◆協賛企業:トーエネック
◆ローソク提供:カメヤマローソク
※プロジェクト全体の進行・学生サポートは、朝日新聞社、電通中部支社、ウィルが事務局を務めました。
「13分を考えるバスストップ」プロジェクト
COP10の開催に合わせ、本社のCOP10パートナーシップ事業として、朝日新聞本紙、名古屋市内のバス停広告、ウェブで展開する「13分を考えるバスストップ」プロジェクトを展開しました。
名古屋市民にとって身近なバス停95カ所で、日中と夜間でビジュアルが変化する広告デザインを3パターンで展開。1年間に約4万種、およそ13分に1種の生物が絶滅していると言われる現状を、バスを待つ人びとに効果的に訴えかけ、生物多様性について考えてもらう機会となることを願ったプロジェクトです。このプロジェクトは、生物多様性保護に関心の高いニコンの協賛を得て実施することができました。
また、このプロジェクトのもう一つの特徴は、バス停広告に印刷されたQRコードおよびURLから本事業専用ウェブサイトに飛び、そこで生物多様性に関するメッセージを投稿することで1メッセージにつき13円を朝日新聞社がIUCN-J(国際自然保護連合日本委員会)およびNACS- J(財団法人日本自然保護協会)に寄付する仕組みとしたことです。
投稿されたメッセージの一部を、COP10最終日の朝刊で、COP10関係者に直接訴えかけられればと日本語と英語で記載しました。
(名古屋本社広告部 濵 忠彦・多胡有人)
【ビジュアルが変化するバス停広告】
内部照明が点灯し、周囲が暗くなるに従って、メッセージが浮かび上がる
日中の見え方(左)、夜間の見え方(右)
「13分を考えるバスストップ」プロジェクト
◆主催:朝日新聞社
◆特別協賛:株式会社ニコン
◆COP10パートナーシップ事業1317号
◆事業名:13分を考えるバスストップ
◆期間:2010年10月11日~29日
◆展開:バス停名古屋Cityscape® 約90面(3種×約30面)
◆協力:COP10支援実行委員会
こどもたちのための環境教育をテーマに、「ユニー誕生40周年事業 ユニー×朝日新聞 エコロキッズプロジェクト」を開催
環境省の「エコファースト企業」に認定されるなど、環境活動に力を入れる大手流通のユニーが、誕生40周年記念事業として「地球の未来を担うこどもたちのための環境教育」を目的とした環境プロジェクトを、朝日新聞と共同で立ち上げました。本プロジェクトは、里山や干潟での体験学習を通して、こどもたちに「生物多様性がもたらす恵み」を知ってもらおうというもので、COP10パートナーシップ事業にも登録されました。
体験学習の場として、5月と7月に、川を介してつながる「海上(かいしょ)の森」と「藤前干潟」で「環境体験教室」を開催。森林の間伐や干潟での生きもの採集・観察などの体験を通して、豊かな自然の恵みをもたらす里山と干潟の働きや、森と川と海のつながりを学びました。こどもたちは、教室を終えて書き上げた「エコロキッズ新聞」に、「森には仕事がたくさん」「命をくれるいきものたち」という見出しをつけたり、「いきものは自然環境を守るために一所懸命に生きているんだね」「私たち人間といきものはつながっているんだね」などの感想を寄せたりして、生物多様性の大切さを肌で感じた様子でした。
また同時に、身近な自然に目を向けてもらおうと「エコロキッズ絵画コンテスト」を実施。全国の小学生から作品を募り、応募数は1,000点を超え、大きな反響がありました。
「環境体験教室」 海上の森(左)と、藤前干潟(右)
一連の活動の締めくくりとして、9月に名古屋市・テレピアホールで「エコロキッズ環境会議」を開催。「環境体験教室」の発表会と、さかなクンによるトークショーを行いました。地球の未来を担うこどもたちが環境について考え、自らの問題として取り組んでいくことの大切さを呼びかけてきたエコロキッズプロジェクトのフィナーレとなりました。
(名古屋本社広告部 森田荘之介)
「エコロキッズプロジェクト」
◆主催:ユニー、朝日新聞社
◆後援:環境省中部地方環境事務所、愛知県、名古屋市、瀬戸市
◆協力:あいち海上の森センター、よりあい工房ばんどり、NPO法人藤前干潟を守る会、朝日学生新聞社
◆期間:2010年2月21日~10月16日