「GLOBE」紙上で環境への取り組みを継続的に訴求

 日立製作所は、同社が手がける環境関連事業や製品を訴求する企業広告の一環として、「朝日新聞グローブ(GLOBE)」にも出稿している。「GLOBE」出稿の経緯、効果などを、日立製作所ブランド・コミュニケーション本部宣伝部媒体グループ主任の丸尾陽司氏に聞いた。

継続的な出稿で手ごたえ
「GLOBE」は30代ビジネスパーソンに届く貴重なメディア

日立製作所 竹丸尾陽司氏 日立製作所 竹丸尾陽司氏

――「GLOBE」に対する感想を聞かせてください。

 個人的にとても好きな紙面で、愛読しています。読み応えがあり、とても知的好奇心がくすぐられる内容です。斬新な取り組みですが、朝日新聞をずっと購読している私としては、真正面からきちんと取材し、内容が濃いという点で、とても「朝日新聞らしい」と感じています。

――「GLOBE」に企業広告を出稿しています。経緯を聞かせてください。

 環境を訴求する企業広告は、1社提供の「世界ふしぎ発見」(TBS系)で展開中ですが、テレビだけではリーチできない層があります。それを補完する意味で、主にビジネス層をターゲットにした新聞広告も活用しています。

 これまでは全15段、全30段といった大きな紙面を使った広告を出稿してきましたが、厳しい予算の中、出稿できる回数には限りがあります。たとえば半期に1~2本出稿したとして、それが本当に伝えたいと思っている読者や層に伝わっているのか、疑問に感じることもありました。全5段、全7段などの低段数で回数を増やすことも検討しましたが、企業姿勢や方向性、メッセージを託す企業広告として、それで伝えきれるのか、やはり全15段といった大きさは必要なのでは、といった議論が社内で起きました。

 そんなとき、ちょうど「GLOBE」創刊の話があり、その広告枠の提案を朝日新聞社から受けました。この変形広告スペースならば、本紙の全5段、全7段などとは違う見せ方ができるのではないか、企業広告を出す価値が十分あるのではないか、という結論に至り、出稿に踏み切ったのです。

――反響は。

 朝日新聞のアスパラクラブのアンケートでも、「最近、日立の広告を見る」という声が多く寄せられています。「継続は力なり」ではありませんが、継続的に出稿することで接触も認知も高まってきているのは確実です。私たちは、最終的にこの広告で、日立が環境に貢献しているというイメージを作っていきたいと考えていますが、回数を重ねれば重ねるほど広告の評価が上がってきているようです。まさに蓄積効果があった、と手ごたえを感じています。

 また、「GLOBE」はその特集内容を見ても、いわゆるビジネスパーソンの読者層が多いと見ています。30代男性の広告接触率が高いという調査結果もあり、この層はまさに当社が訴求したい層です。いろいろなメディアはありますが、実は30代男性をとらえるのは難しい。メッセージを自分なりに受け止め、一歩踏み込んで考える世代なので、広告だけでは動かされない場合が多いのです。その点、「GLOBE」は、特集の内容を読む流れで広告と接触することで、広告についても抵抗なく受け入れられているように感じます。30代、40代のビジネスパーソンに確実に届く、非常に貴重な媒体ととらえています。

「GLOBE」で展開した日立製作所の環境キャンペーン

2010年3月8日2010年3月8日
2010年2月22日2010年2月22日
2010年2月1日2010年2月1日
2010年1月25日2010年1月25日
2010年1月11日2010年1月11日

より効率的な広告展開を目指す

――「GLOBE」の体裁や内容について意見、期待することはありますか。

 企業広告で訴求する内容が主にB to Bのものなので、しっかりと説明するためにはもう少し広告スペースが大きければ、とも思いますが、「GLOBE」はデザイン性も含めて支持されている媒体です。私たちのほうで、より訴求力の高いクリエーティブを検討していくべきだろうと考えています。

 ネガティブな論調、特にある特定の企業を批判するようなテーマが多いと、広告を出稿するのに躊躇(ちゅうちょ)しますが、「GLOBE」の編集方針は、中立的な立場をとっているので、使いやすいというのが正直な感想です。この編集方針については、これからも変えることなく進めていただければと思っています。

――今後について聞かせてください。

 今後も環境キャンペーンは続けていく予定です。「GLOBE」の効果も実感しています。限られた広告宣伝予算の中で、もっとも効率のいい媒体の使い方、出稿の仕方を考えていく中で、引き続き「GLOBE」の活用も検討していきたいと思っています。