東芝は8月1日付朝日新聞で、同社ノートPC「ダイナブック」シリーズの広告を、1.5連版で展開した。15段1/2の半ペラの紙面をめくると、まるでパソコンを実際に開いたようなイメージが伝わってくる。同社広報部国内広告担当部長代理の仲健太郎氏に聞いた。
インパクトある体裁で目を引き
実寸大で大きさや使いやすさ伝える
――1.5連版の新聞広告を出稿された経緯をお聞かせください。
ネットやメールを主体に使う安価で小型サイズのPC「ネットブック」が、このジャンルを得意とする台湾メーカーの参入などもあって、昨年から盛り上がっています。当社は昨秋、国内メーカーの中でいち早く参入し、今年になって「ダイナブック」シリーズのネットブックを発売したところ、非常に好調で、国内メーカーではシェア1位になっています。
ネットブックは人気の一方で、小さいゆえにキーボードのピッチがせまく、スムーズなタイピングにやや難がある、とも言われていました。「ダイナブックUX」は、一つひとつのキーが独立しているなど、小さくても使い勝手がいいのが特長です。その特長や機能を改めて伝えたいと考えていたとき、「1.5連版の広告スペースならば、実寸大で商品を見せられるのでは」とピンときて、朝日新聞社とともに企画を検討することになったのです。実際測ってみたところ、半面の部分とダイナブックUXを閉じた面の大きさがほぼ同じ。インパクトがあり、さらに実寸大で見せることで、一番知ってほしい使い勝手をしっかり伝えることができると確信しました。店頭で確認するようなことを、ご自宅で体感してもらえれば、と思ったのです。さらに、対向面にワイドな機種も実寸大で掲載し、「small or wide ・・・?」と訴えれば効果的ではと考え、「ダイナブックTX」も掲載することに。こちらも測ってみたらほぼぴったりのサイズで、まるで当社のPCのために用意された広告体裁のような錯覚さえ覚えました。
最終面にはNEWSの山下智久さんが登場する当社のテレビCMと連動した広告を配置することで、「テレビCMのあのPCだ」という認知に結びつけば、と期待しました。広告はクロスメディアで展開しているため、仕掛けのある広告の締めくくりに純広がくるのは、新聞広告の使い方としては正解だったのではないかと考えています。
――反響は。
お客さまからは「目立つ」「タイプしたくなった」「リビングの机の上に紙面を置いてみた」という声が届きました。広告は「見られてナンボ」なので、そういう意味では効果はもちろん、理解も得られたのかなと手ごたえを感じています。また、掲載前から社内では大きな話題になり、社員のモチベーションアップにもつながったと思います。
2009年8/1 朝刊 1.5連版