消費者参加型の子ども支援を実施

 森永製菓は、チョコレート1箱につき1円を、NGOのプラン・ジャパンに寄付する「エンゼル・スマイル・プロジェクト」など、様々な子どもの支援活動を行っている。取締役・広報・IR部長兼広告部長の新井徹氏に聞いた。

── 子どもの支援に力を入れる背景と、「エンゼル・スマイル・プロジェクト」の狙いは。

新井 徹氏 新井 徹氏

 当社は、日本の食生活が貧しい時代、「子どもに栄養のあるものを食べさせたい」との創業者の思いからスタートし、企業文化として子どもの支援を推進してきました。ただ、今の時代は企業独自で黙々と……というより、消費者が身近に参加できる支援の機会が求められていると考え、2003年から対象商品「カレ・ド・ショコラ」の売り上げの一部をプラン・ジャパンに寄付する取り組みを開始しました。途上国の子どもたちへの支援を行うプラン・ジャパンの活動は、「どの国のどの村に学校を建てるか」など支援策が明瞭(めいりょう)で、消費者が参加意義を実感しやすいと考えたのです。「エンゼル・スマイル・プロジェクト」はその一環で、昨年、国産チョコレートの発売90周年を記念し、10、11月の2カ月間、対象商品を広げて展開しました。

── キャンペーンの反響は。

2008年 10/18 朝刊 2008年 10/18 朝刊

 流通関係者からは「自分たちも貢献活動に参加したい」と好感を持って迎えられました。また、集まった支援金額を毎日ホームページ上で計上していき、消費者が参加意識を持てるような工夫をしたところ、これも大変好評でした。売り上げは各種前年比6~10%の伸びを示し、支援金は約1,480万円に上りました。キャンペーンは今年3、4月も展開予定で、さらなる反響を期待しています。

── その他の社会活動は。

 無人島での共同生活を通じ、たくましく生きる力を養う「エンゼル無人島探検隊」を1999年から、三重県・伊賀上野の里山で自然体験をする「エンゼル自然塾」を今年から実施しています。体験談は当社ウェブページにアップしていますが、子どもたちが、人とのきずな、自然とのかかわり、いろんなことを学んでいる様子に私たち社員も励まされています。体験型の活動としては工場見学にも力を入れ、年間8万人を集めています。また、WCF(世界カカオ財団)に日本企業として初めて加盟し、カカオ栽培農家への技術指導や教育支援、児童労働のない社会の実現に向けた活動を支援しています。個人ではできないことをサポートしていくことも企業の役割。それぞれ継続していきたいですね。