詰め替えブームを背景に品質と使い勝手を両立

 環境への配慮から、「詰め替え」への需要は高まっている。ネスレは、お湯を注ぐだけでコーヒーをいれることができる「ソリュブルコーヒー」の3ブランドから同時に、新しい詰め替え用カートリッジ「ネスカフェ チャージ」を発売した。同社コーヒー・飲料本部プレミアムコーヒービジネスグループのビジネスグループマネジャー、野澤英隆氏にお話を聞いた。

品質を保ちながら便利とエコを実現

── 発売までの経緯は。

野澤英隆氏 野澤英隆氏

 当社のソリュブルコーヒーは、開封後の品質保持のため、あえて瓶入り商品にこだわってきました。その一方で、消費者から詰め替え商品への要望もあって、2005年に、スプレードライタイプの「ネスカフェ エクセラ」で、袋入りの詰め替え商品を発売しました。しかし、「ネスカフェ ゴールドブレンド」「ネスカフェ 香味焙煎(ばいせん)」といったフリーズドライタイプの商品は、吸湿性が高く、袋入を開けっ放しにしたり、詰め替えずに袋のまま使ったりすると、品質が落ち、コーヒーの命でもある香りが飛んでしまいます。3年かけて検証した結果、ガラス瓶に一気に詰め替えてもらえば、吸湿性や香りの問題を回避できるという結論に達し、今回の「ネスカフェチャージ」の形状が生まれました。袋入りの詰め替えは手間がかかる、こぼれてしまうといった、消費者が感じる小さなストレスも、この形状によって解消できます。

 また、高い機能性や簡便性だけでなく、瓶を使い続ける「リユース」、アルミニウムの使用量を削減し、弊社従来の袋型詰め替え製品同サイズと比較して30%以上を削減しつつ、外装包材として紙を使用することでゴミ容量を削減する「リデュース」、再生処理ができる材料を使った「リサイクル」と、容器包装の観点から「3R」をさらに促進できました。環境負荷の低減を目指す当社の姿勢が反映された商品とも言えます。

── どのようなコミュニケーションを展開しましたか。

 どう使うのか、何が画期的なのかといったこの商品特長は、紙媒体でなければ伝えきれないと考え、テレビCMより先に新聞広告を出しました。革新の象徴であるアインシュタイン博士のビジュアルが印象的な紙面で「登場感」を出しながら、特長も分かりやすく解説しました。その後、テレビCMで一気に認知を広め、それを追う形で、環境への取り組みをはじめとする当社の姿勢を紹介する広告を出稿しました。

── 今後の展開は。

 商品の改良に終わりはありません。これからも消費者便益を最優先に取り組んでいきます。また、新しい詰め替えの形を提案することで、市場拡大に貢献できればとも考えています。

9/4 朝刊
9/14 be