「バナナ品薄現象」を巻き起こした「朝バナナダイエット」。書籍化され、日記帳判、文庫判とあわせて60万部を突破した。ぶんか社編集局第三編集部部長の永野由加里氏、同局宣伝広告部副部長の山本修吾氏に聞いた。
発端はミクシィ反響が反響を呼ぶ
── 発売までの経緯は。
昨年10月に、新聞の雑誌広告で「朝バナナダイエット」と特集されていたのが目に留まり、「はまち。」さんのウェブサイトを見たのが始まりです。ミクシィで確認すると、1日に4,000件ものコメントがつくほど盛り上がっていました。そこで、ぜひ書籍化したいと、「はまち。」さんに連絡を取り、今年3月に出版しました。
──ヒットの要因は。
バナナは年間を通して安く手に入り、手で簡単にむける。これと水を朝一緒に取るだけで、炭水化物たっぷりの昼・夕食、3時のおやつもOK。カロリー計算の必要もなし、という手軽さが支持された要因だと思います。コミュニティーサイトを通じて他人と励まし合いながらモチベーションをキープするという新しさもありました。ダイエット本には珍しく、「朝バナ子ちゃん」というキャラクターを打ち出し、親近感を持ってもらえたことも大きかったですね。
── 反響の広がり方は。
「ブランドバナナ」や「バナナケース」などがメディアで扱われた時期で、ちょっとしたバナナブームではあったんです。加えて健康雑誌や女性誌、さらに日本テレビやTBSの番組でも特集され、ブームに火がつきました。
── 新聞広告の狙いは。
ダイエットの中には体に負担をかけるものもありますが、「朝バナナダイエット」は子どもからお年寄りまで無理なく取り組めて、生活習慣を見直す健康法でもあるので、大きなメディアで訴えやすく、また、書店や流通に働きかける狙いもありました。
── 外国語版も出版されました。
韓国、台湾で販売を開始しています。欧米メディアからも注目されており、さらなる展開も視野に入れています。
── 大きな社会現象となりましたが、今後の抱負は。
「品切れ現象」が出た時は、うれしい半面、反動を危惧(きぐ)しました。一過性の流行でなく定番のダイエットにしていくために、有益な情報を継続的に発信していきたいと思います。来年1月、当社ホームページで募った「ミス朝バナナグランプリ」の模様や、体験談を掲載したムックを発売予定です。