動脈硬化予防の啓発に新聞広告を活用

 ファイザー株式会社は、近年増加傾向にある生活習慣病について、積極的に啓発活動を行っている。製品広報部の鈴木実氏と医薬マーケティング部門の馬場良光氏にお話をうかがった。

馬場良光氏 馬場良光氏

── ファイザーが取り組まれている一般生活者向けの啓発活動についてお聞かせください。

 ファイザーでは特に生活習慣病の啓発活動に力をいれています。今、日本では2分に1人という高い頻度で脳卒中が発生し、重大な後遺症に苦しむ方が後を絶ちません。しかし、脳卒中の原因となる高血圧やLDLコレステロール(悪玉コレステロール)に対する認識は低い。日常的に測る機会のある血圧の値はわかるかもしれませんが、LDLコレステロール値は値自体の認知や関心が低いのが現状です。LDLコレステロール値が高いと動脈硬化を経て重大な結果につながる可能性があることを生活者に正しく理解してもらい、いかに自分のことと認識してもらうかが課題です。

 そのための取り組みとして、医師のアドバイスに基づいたコレステロールのコントロールを訴える「コレステロール 甘くみない!!!」(アステラス製薬と共同で展開)、血圧コントロールを啓発する「さげるんだー・プロジェクト」、脳卒中予防啓発のための「ストップ!No卒中」などのキャンペーンを展開。脳卒中・心筋梗塞予防の啓発活動に力を入れています。

鈴木 実氏 鈴木 実氏

── 生活習慣病の啓発活動を受けて、生活者の意識に変化は。

 「コレステロール 甘くみない!!!」によって、LDLコレステロ ール値への関心が高まり、病院に行く人が増えたことがキャンペーン終了時の調査結果からわかりました。協賛している日本動脈硬化学会の市民公開講座も高い関心を集めています。新聞広告に採録することで、広く市民の関心を高められると期待しています。

── 新聞広告の位置づけは。

 新聞はまとまった情報を提供することができ、我々製薬会社が大切にする科学的で正確な情報を発信するのに適した媒体です。医療情報を発信するキャンペーン終了後に情報の認知経路を調査すると、数あるメディアの中でも新聞が毎回1位になります。

 また、重大な発作の前に早期受診・早期治療を推奨する医療従事者からも好評です。医師は、患者さんの治療はできても、街にいる人を病院に連れてくることはできません。新聞広告をはじめとした啓発キャンペーンは、潜在患者に受診を促す役割も担っているのです。そのため、社内のMR(医療情報担当者)のモチベーションアップや医療従事者とのコミュニケーション手段としても、非常に有効なツールとなっています。

2007年 7/22 朝刊
2007年 8/25 朝刊