ジェネリック医薬品で守りたい日本の医療制度

 国によって積極的な使用促進が行われる「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」。同時に医療においては、生活者自らが医師と共に主体的に判断できるようになる下地づくりも必要となる。そのような状況における、ジェネリック医薬品普及のためのコミュニケーションについて、東和薬品企画本部広報室長の三喜啓二氏にお考えをうかがった。

三喜啓二氏 三喜啓二氏

── ジェネリック医薬品の現状と普及への取り組みをお聞かせください。

 当社は、2004年4月から、テレビCMや新聞広告を使って、ジェネリック医薬品への認知や関心を広げることを始めました。

 こうした取り組みなどで認知率が高まってきており、今年4月からは、医師が処方箋(せん)にサインをしない限り、ジェネリック医薬品を推奨する方式に、様式が変更されました。効能・効果が同じで薬価が安いジェネリック医薬品を普及させることで、医療費の抑制を図りたいというのが国の方針です。

── 今回の広告のねらいは。

5/24 朝刊 5/24 朝刊

 認知は上がりましたが、日本の医療や健康全体についての関心を広げることで、ジェネリック医薬品への理解を深めて欲しい。そこで、5月は「特定健診・特定保健指導」に関する広告特集を出稿しました。この紙面では、いま話題のメタボに関する健康情報を提供するとともに、ジェネリック医薬品は単に安い薬というだけのイメージから、医療制度に及ぼす影響を考えるきっかけになって欲しいとの思いを込めました。

 ジェネリック医薬品も特定健診も同様に、その普及によって危機的な健康保険の財源の節約となり、ひいては日本の「国民皆保険」というすばらしい制度の堅持につながります。一見異なる2つのトピックスですが、明日の医療のためには非常に近い存在であるという大局的な見方を読者に訴えたかったのです。

 新聞はこうした情報発信に適した、きちんと「読ませる」媒体であり、「考えさせる」媒体です。また、朝日新聞は医療問題を身近に感じる世代や医療従事者の購読率も高く、こうした層に「東和薬品が啓発活動にも熱心」と知らせることに大きな意義があります。

── 今後の展望は。

 国は12年までに全医療用医薬品に占めるジェネリック医薬品のシェアを30%にする数値目標を発表しましたし、ジェネリック医薬品の需要が右肩上がりであることは間違いありません。今後さらに、ジェネリック医薬品の中でも「東和薬品なら安心」と言っていただくために、信頼できる媒体で信頼できる情報を提供していきたいと思います。