アシェット婦人画報社は、ファッション、ビューティー、食、カルチャーを柱とした情報誌『エル・ア・トーキョー』を2005年4月から、首都圏を中心にエリア広告で展開している。編集を担当するエル・ジャポン副編集長の松澤章子氏にお話をうかがった。
――エリア広告を展開された経緯などをお聞かせください。
『エル・ジャポン』本誌の読者層は、ファッションやアート、インターナショナルな情報に興味がある、20代後半~40代を中心とした層です。エリア広告を展開することで、『エル・ジャポン』という雑誌をより広く知ってもらい、新たな読者に興味を持ってもらうのが大きな目的でした。125万部(現在は128万部)もの部数が配布できることにも魅力を感じました。
実はフランス本社でも、他のメディアと組んでエリアに特化した情報誌を作るという試みを行っていました。日本でもできないかと朝日新聞社に相談したのです。東京の情報誌ですから、エリアを限定して発信できる点も目的に合っており、『エル・ア・トーキョー』の発行に至りました。
――編集の方向性は。
広告媒体であるものの、雑誌を宣伝するというよりは、新たな編集メディアとしてとらえています。そのため、本誌の特集を焼き直すといったことはせず、関連した情報を新たに取材、編集し、掲載しています。本誌の特集内容とリンクさせた上で、新聞読者を意識し、ジャーナリスティックな切り口やニュース性がある情報を心がけています。
――反響は。
多くの広告主から問い合わせがあり、出稿件数も増えています。首都圏の、いわゆるハイクラスな消費者が多い地域に配布している点が、広告主の意図と合っているようです。
――今後の展開は。
現在vol.10まで発行していますが、内容や表紙デザインなどを、少し変えていくことも検討しています。最近では六本木や銀座など、街自体が大きく変化するケースが多いので、そうした動きに合わせ、よりエリアを限定した企画もやってみたいですね。また、内容の幅が広がれば、たとえば高級ホテルやシャンパンのメーカーなど、ラグジュアリーなライフスタイルを提案する企業からも広告媒体として注目をいただけるのではないかと考えています。
タブロイド判16ページ