赤が目に鮮やか! インパクトあるクリエーティブで知名度アップを図る

 真っ赤な背景に深紅のドレスの女性。思わず新聞をめくる手が止まるほど、鮮やかで華やか、そしてインパクトのある紙面が6月22日付朝日新聞朝刊を飾った。床材と屋上防水材を製造する田島ルーフィングの広告だ。

優秀な人材を集めるため、社名の知名度を上げる

河合 宏氏 河合 宏氏

 同社は2014年、グループ会社であるタジマと統合し新体制となり、それに伴い積極的な人材採用に乗り出した。1919年創業で100年近い歴史を有し、業界では名の知れ渡っている同社だが、BtoB企業であるため、一般的にはあまり知名度が高くない。

 「特に若い世代の学生には知名度が低く、就職活動において売り手市場の今、社名を広くアピールする必要があると考えました」

 そう話すのは、田島ルーフィング営業企画部広報企画室室長の河合 宏氏。これまで業界紙や専門紙へはあったが、テレビへの出稿は、なんと実に60年ぶりのことだ。そのねらいを河合氏は次のように説明する。

 「リクルーティングのターゲットである若い層を中心に、幅広く社名の認知を広めるため、テレビCMを展開することに。さらにその流れで、新聞にも出稿することを決めました。今の就活において親御さんの存在は重要で、どこに就職するのかを決めるのに親の意見を重視する学生は多いと聞いており、その親世代に広く訴求するのに、新聞広告は力を発揮してくれるのではと期待しました」

 クリエーティブには、テレビCM同様、若い世代に人気のある、モデルで女優の本田翼さんが登場。

 「実は私たち50才前後の世代は彼女の活躍ぶりを最初はあまり知らなかったのですが、若い社員に聞くととても反響が良くて(笑)。直接的な効果は計れませんが、現時点で学生の応募数は増えていますし、テレビCMや新聞広告を『見て応募した』という学生もいます」(河合氏)

社員、施工業者――。インナーコミュニケーションにも力を発揮

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2016年6月22日付 朝刊 2016年6月22日付 朝刊

 2014年の経営統合により、「屋上」と「床」の両方を取り扱うという、業界内でも特徴のある企業となった。そこで紙面では、ボディーコピーで事業についてわかりやすく訴求することにもこだわった。周囲からは「インパクトがあり目に留まった」という反響があり、中には「CMよりも新聞広告がより強く伝わってきた」という声も。読者にしっかりと印象を残したことがうかがえる。

 広告出稿への社内アンケートでは、8割以上の社員が「やってよかった」と回答。多くの人が目にする新聞に広告が掲載されたことで、社員の家族が喜び、その姿に社員も喜ぶなど、社内の士気を上げるインナーコミュニケーションにも一役買ったようだ。

 さらに、こんな意外な反応もあったという。

 「私たちが製造する床材や防水材の施工業者の皆さんから『自分たちの仕事が脚光を浴び、勇気付けられた』といった声が届いたのです。これは想定外でしたが、当社にとっても、非常にうれしい反応でした。そして、この広告が広く届いたことを強く実感しました」河合氏は、笑顔でそう手応えを語った。

 社名や企業イメージを広めるためのコミュニケーションは、秋期採用に向けて再び取り組む予定。さらに、事業についてより詳しく、わかりやすく紹介するために、今後は自社のウェブサイトの充実なども図り、コミュニケーションを連携させていく考えだ。