中高年女性をターゲットに「骨の健康」のヒケツを訴求

長寿大国ニッポン。特に女性の平均寿命は86.6歳と世界トップだ。健康上の問題なく日常生活を送ることのできる健康寿命も74.2歳でやはりトップだが、「健康に暮らせない」期間が平均で12年あまりあることになる。その原因のひとつが「骨」にある。雪印メグミルクは、3月15日に行われた「MBP」研究会主催の「中高生女性における骨の健康を守るヒケツ」をテーマにした市民公開講座に協賛。その採録が4月10日朝日新聞朝刊に掲載された。

公開講座に協賛し、採録を新聞紙面で展開

松村英一郎氏 松村英一郎氏

 「私たち雪印メグミルクは、グループ理念の中で『消費者重視経営の実践』『酪農生産への貢献』とともに『乳(ミルク)にこだわる』を掲げています。これはミルクの持つ可能性を『深め』、価値を『高め』、世界に『広げていく』ことを実現していこうとするもので、公開講座と新聞での採録は、骨の健康を守るための基礎知識、ミルクに含まれる有用な成分を消費者や読者の皆さんに広く知ってもらうことが目的でした」

 そう話すのは、雪印メグミルク機能性食品事業部長の松村英一郎氏。ターゲットにしたのは、中高年女性。75歳を超えると支援や介助が必要になる割合が一気に高まるが、女性の場合、「骨折・転倒」「関節疾患」が全体の約4分の1を占め、認知症や脳卒中を上回っている(2010年厚労省「国民生活基礎調査」より)。女性は、閉経による女性ホルモンの分泌低下が骨密度を低下させるため「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」を起こしやすく、軽い衝撃でも骨折してしまうためだ。つまり、骨や関節の健康を保つことができれば、健康寿命を延ばすことにつながる可能性がある。

 今回の公開講座では、牛乳に含まれる「MBP」について解説している。骨の細胞に働きかけることで、骨にカルシウムが付きやすくなると同時に、骨からカルシウムが溶け出すことを防いでくれる微量タンパク質で、成人女性を対象に半年続けて摂取してもらったところ、摂取していないグループに比べて骨密度が3%以上も上昇した、という研究結果が出ている。

 「牛乳や、牛乳に含まれているカルシウムが骨にいい、というイメージは持たれているのですが、『MBP』の認知度はまだまだ、というのが現状です。当社では1990年代から研究を始めているのですが、より多くの人たちにきちんと知ってもらいたいと考えています」

 公開講座では、骨の健康や「MBP」の研究に携わる医師、太田博明先生と板橋明先生の講演に続いて、女優の秋野暢子さん、タレントの西川ヘレンさんも加わりパネルディスカッションを開催。ターゲットと同年代の女性の経験談を交えたトークに、会場に集まった500人を超える中高年女性たちは、メモをとりながら真剣に聴き入っていた。

 採録の紙面では、この講演とパネルディスカッションの様子を、グラフを交えてわかりやすく展開した。また、参加者からの質問を「骨の健康Q&A」としてまとめた。「学術的な側面、経験談、そして素朴な疑問など、色々な角度から骨の健康についての情報を発信し、『MBP』に関心を持ってもらいたいと考えました。」(松村氏)

骨を健康にする成分「MBP」をわかりやすく解説

 読者からは「どういう製品で取れるのですか?」といった成分や製品への問い合わせが寄せられ、関心が高まったことがうかがえた。講演した太田先生、板橋先生からも、「見やすいレイアウトとわかりやすい内容でよかった」と評価された。

 「私たちは『事実』を『正確』に『平易』に伝えることをいつも大切に考えています。どんな表現にすれば消費者や読者の皆さんに伝わるかは、常に心を配る部分です」と松村氏。さらに続ける。

 「インターネットなどで今や情報はあふれ返り、消費者の皆さんが正しい情報を得るのが難しくなっています。そうした中で、新聞は媒体として信頼性が高く、『新聞に載っている情報は正確だ』と受け止めてもらえる。新聞広告にはそれを期待していますし、今後も信頼される媒体であり続けてほしいと思っています」

 今後の啓発活動については、三つの軸で展開していく考えだ。松村氏は、次のように説明した。

 「一つは、『MBP』の機能について、まずは専門家にも深く知ってもらい、その先の一般消費者への情報発信につなげていきます。二つめは、よりこの機能が必要となる中高年女性を中心に、今回の公開講座のようにダイレクトな場でご説明をしていきます。三つ目は、新聞広告をはじめとするメディアを通じて、知って理解してもらいたいと考えています」

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2015年4月10日 朝刊