ドイツの高級車ブランド「BMW」。神奈川県北西部をテリトリーとするBMWディーラーのニコル・カーズは、全国BMW最優秀・優秀ディーラー賞を20年連続で受賞している。昨年は日本唯一、7度目となる最優秀ディーラー賞を手にしたトップディーラーだ。栄えある業績をのこした昨年、同社は計10回にわたり、朝日新聞だけでエリア広告特集を配布した。その狙いと反響について聞いた。
地域を精査して配布 効果的にメッセージを発信
「1988年に当社設立以来、神奈川県版への広告出稿、チラシの折り込みも含めて、朝日新聞の読者に向けたコミュニケーションを重視してきました。エリア広告特集は、配布エリアが新聞販売店単位で精査でき、広いスペースを使って多色で独自の訴求ができるエリア広告は、より効果的にターゲットに届くのではと期待しました。何より、『The Asahi Shimbun』という題字を冠した紙面が、意識の高いインテリジェンス層に大きな信頼感を持って受け入れられるという確信がありました」
エリア広告特集を活用する狙いを、同社のマーケティング部PR・CS担当部長の鈴木謙一氏はこう説明する。
折り込みチラシの場合、週末のイベントや試乗会への集客を狙い、その直前に配布するケースが多いが、エリア広告については長いスパンでの効果に期待したという。
「配布後の独自調査で、エリア広告特集の紙面が比較的長い時間保有されていることが明らかになりました。有益な情報として読者が広告を保管してくだされば、一時的ではない誘客が期待できるのではないかと考えたのです」
訪問販売は一切行わない同社にとって、ショールームにご来店いただくことこそが顧客との接点だ。鈴木氏によると、クルマの購入は、ほとんどが「衝動買い」なのだという。もちろん「そろそろ乗り換えたい」「いつかは買いたい」という気持ちが根底にある上で、実際にどんなデザインや性能なのか、費用はどのぐらいかかるのか、走りや安全性は?といった具体的な「納得」ができれば購入に至る、という訳だ。
活字媒体はむしろ効果的なツール
「BMWの魅力をサポートする情報を広告で分かりやすく紹介し、まずはショールームに行ってみようという気になっていただく。エリア広告特集は、そのための非常に重要なツールです」
「広告に掲載した情報をしっかりと読み、知識を得た上で来店くださるので、セールスマンもより効率的かつ的確に説明ができます。お客様とセールスマンのコミュニケーションもスムーズになります。この広告が、貴重な時間を割いて訪れてくださるお客様への適切な対応をサポートしてくれるわけです」
実際、ショールームへの来訪動機のアンケートでは、この広告を見て来たという回答が多く、高い効果を感じているという。
スッキリと洗練されたレイアウト、読み物的にまとめられたコピーと、広告というよりも記事のようなクリエーティブ。「BMWのユーザーや興味を持つ層は、非常に知識欲が旺盛です。新聞にも親和性が高く、活字の情報にも敏感に反応し、読み解くリテラシーがあります。活字離れが叫ばれていますが、私たちのコミュニケーションにおいては、むしろ効果的に働くととらえています」
昨年12月には、BMW初のファミリー向けコンパクトモデル「2シリーズ アクティブ ツアラー」の販売を開始し、ユーザー層の広がりも見込まれている。「いろいろな層の方々に向けて、多様なモデルレンジをそろえています。そのラインアップ、魅力を広く伝えていきたい。そのために、エリア広告特集は、県版とともにこれからも活用していく考えです」と鈴木氏。エリア広告特集への信頼は厚い。