ニチイグループのニチイグリーンファームは昨年4月、千葉県茂原市に「レイクウッズガーデン ひめはるの里」をオープンした。「人と自然との調和の中で、多くの人に感動と癒し(いやし)を」をコンセプトに、四季折々の花が咲き誇るガーデンと、かわいらしい犬たちと触れ合うことのできるエリアで構成されている。
「人と自然」「自然と犬」の調和をテーマとしたパーク癒しを提供
医療、介護、教育関連といった事業で知られるニチイ。レイクウッズガーデンを手掛けた経緯について、同社マーケティング部 広告宣伝課の小林圭氏はこう説明する。
「当社は、『だれもが生涯自分らしく生きられる社会をかなえる』という経営ビジョンのもと、安心して暮らすことができる社会の実現に努めています。そのキーワードのひとつが『癒し』です。人と人、人と自然とのふれあいを通じて癒しを提供したい――。そんな思いを形にしたのが、レイクウッズガーデンなのです」
「癒し」の象徴とも言えるのが、このパークの大きな特徴でもある「犬」だ。オーストラリアン・ラブラドゥードルという、日本ではまだ珍しい犬種と触れ合うことができる。プードルとラブラドール・レトリバーを主体に、ほか4犬種を交配させた犬種。賢く人懐っこい性格で、かつ、毛が抜けにくくにおいが少ない「アレルギーフレンドリー」(犬アレルギーが出にくい)の犬として注目を集めている。
「介助犬やセラピー犬としての高い資質を持ち、幅広い方々に癒しを提供することができる犬種です。また、動物アレルギーだからとあきらめている方でも飼うことができます」(小林氏)
ターゲット層が『sippo』の読者層と合致
同社は、朝日新聞本紙に折り込まれる広告特集、タブロイド判ペット新聞『sippo』に、レイクウッズガーデンのタイアップ広告を2011年6月、9月、11月の3回にわたって掲載した。ペットとの暮らしを応援する情報媒体だ。
「レイクウッズガーデンは、オーストラリアン・ラブラドゥードルと触れ合えるのはもちろん、愛犬とドッグランや水遊びが楽しめる施設も充実しています。『sippo』はペットと暮らしている人や、犬や猫が好きな人、これからペットと暮らそうと考えている人たちが読んでいて、まさにレイクウッズガーデンを訴求したいターゲットと合致している。この層にアピールすることで、レイクウッズガーデンの認知促進を図ることが出稿のねらいでした」
さらに小林氏は、新聞という媒体にこだわった理由を次のように続けた。
「より広い層に告知したかったので、マス媒体でリーチのある新聞を選びました。また、マス媒体の中でも、新聞、さらに朝日新聞が持つ信頼性の高さが決め手となりました」
新聞の信頼性や朝日新聞のブランド力を最大限に生かそうと、純広ではなくタイアップを選択。読み物として読者の手に届くことで、犬と暮らす人や犬が好きな人だけでなく、より広い層に、癒しを提供する場の存在を知ってほしかったからだ。
掲載1回目はパークの施設を、2・3回目はオーストラリアン・ラブラドゥードルを紹介する構成にした。「カラー(毛色)は10パターン、ヘア(毛並み)とサイズはそれぞれ3パターンと、一口にオーストラリアン・ラブラドゥードルと言っても色々な種類があります。それもこの犬種の大きな魅力なんです」(小林氏)
日本で唯一の承認企業ブリーディング活動を展開
ニチイグリーンファームは、この犬種を保護、育成するために設立された「オーストラリアン・ラブラドゥードル協会」から正式に承認され、企業では日本国内で唯一、ブリーダーとして選定されている。同社は、日本では珍しいFCHSystem(ファミリーケアホームシステム)というブリーディング活動を展開。このシステムは、一定条件を満たした家庭に「里親」として犬を育ててもらい、繁殖時期にのみブリーディングに協力してもらうという仕組み。普通に飼いたいという場合は、犬種の保護を重視して、去勢・避妊手術済みの子犬を譲渡している。こうしたシステムについても、紙面で紹介した。
3回とも、出稿後の週末には、レイクウッズガーデン公式サイトのアクセス数も、実際の来園者数も、大きく跳ね上がったという。「期待どおりターゲットにしっかりと伝わったと、強い手ごたえを感じています」と小林氏。また、来園者の声を聞いてみたところ、「愛犬と遊ぶのはもちろん、オーストラリアン・ラブラドゥードルに会ってみたかった」と足を運んだ人が少なくなかった。
「これまでもオーストラリアン・ラブラドゥードルをキーにプロモーションを展開してきましたが、パークと犬種の認知をさらに高めるため、今後も犬種の魅力、能力、そしてかわいさを前面にコミュニケーションを図っていきたい」
また今後の課題について、小林氏は次のように述べ、言葉を結んだ。
「オーストラリアン・ラブラドゥードルについては、国内唯一のブリーダーとして、当グループが展開するブリーディングシステムや譲渡方法について責任をもって伝えていかねばならないと思っています。数々の細かい条件、そして、なぜそうした条件を課すのか、といった経緯や理由を、より多くの方に理解していただけるように、丁寧な情報発信を続けていく考えです」
広告特集「Sippo」