7月18日から始まった「プチタビ@夏休み」は、首都高に乗って気軽に旅をしてもらおうというキャンペーンだ。もともとは、首都高でのETCの利用率を85%まで高めようという目的のもとに始まったもので、首都高速道路 ETC推進グループが仕掛けている。
ETCを普及することには、主に二つのメリットがあるという。まずは、スムーズに料金所を通れることで、料金所での渋滞解消、待ち時間に発生するCO2を削減でき、環境面でも大きな効果がある。さらに、ETCを利用することで、柔軟な料金設定を行うことができる。このミッションを達成することは、至上命題でもあり、そのために様々な施策を行った。結果、2003年に7%だった首都高でのETC利用率は、現在では目標の85%を超えるまでになったという。
ETCを通じて利用者の満足度を高める
今回のキャンペーンはETCの利用率向上だけを目的としただけではなく、すでにETCを搭載している利用者向けにも行われている。この狙いについて、同グループの岩崎 仁氏に聞いた。
「ETCを活用することで、他業種で行われているポイント還元のようなキャンペーンを実施することが可能になりました。ETCを付ければ、こんなに便利でお得なんだとアピールすることに成功し、まだ現金で首都高を利用されているお客様にETCの取り付けを促進するキャンペーンとなったと同時に、お客様の満足度を向上させることにも成功しました。」
2008年4月にはじまって今回で5回目となるプチタビキャンペーンでは、毎回概要をまとめたリーフレットを発行している。4回目からは、朝日新聞の題字がついたタブロイド形式を採用した。結果、利用者が手に取る頻度が増えるだけでなく、プレゼントを提供している企業からも好評を得ているという。
「朝日新聞の題字が入ることで、普通のチラシではなく、フリーペーパーのような読み物であるという印象をお客様に与えることができています。そのため、お客様に読んでみようと思っていただけているようです」
このキャンペーンでは、マスメディアを利用せず、首都高の20カ所のパーキングエリアや、首都圏のオートバックス約120店舗、関東の約120カ所の「道の駅」など、様々な場所に広告を設置し、利用者との接点を多く作るように試みている。
「お金を払って、首都高に乗るというだけではなく、首都高に乗ったからこんなに楽しいことがあった、という体験を作りたいというのが、今キャンペーンに込めた願いです。お客様からの応募も多く、このキャンペーンは良かったと考えています」
人と人のつながりで成功したキャンペーン
「Mr.ETC」
ETCの利用率アップを目的としたキャンペーンで誕生し、2007年4月に同社に「入社」したキャラクターが、「Mr.ETC」だ。ETC関連の広告やキャンペーンには必ず登場し、世間でもひそかに人気を博している。
「企業キャラクターがなかなか定着しない中で、ここまで浸透させることができたことは良かったと思っています。人形を見た小さなお子さんにも『Mr.ETC』と言っていただけるようになりました。『Mr.ETC』を使用し続けることで、キャンペーン自体に一貫性を持たせることができ、ETCの普及や今回のキャンペーンの成功につながったと考えています」
今後は、利用状況を見ながら、どういったキャンペーンを展開していくべきか考えていきたいと岩崎氏は話す。最後に、「プチタビ」キャンペーンについてこう語った。
「このキャンペーンでは、様々な企業から協力を得ることで実現することができました。例えば、東京ディズニーリゾートのあるオフィシャルホテルの担当者の方に、他のホテルの担当者の方にも声をかけてもらい、オフィシャルホテルすべてからプレゼントを提供していただくことができました。また、朝日新聞に協力してもらったり、『じゃらん』にも旅のプランを考えていただくなど、一緒に仕事をしていく人に非常に助けられました。この仕事を通して、最終的に大事なのは人だ、ということを再認識し、大変感謝しています」
プチタビ@夏休みキャンペーン 広告特集 タブロイド判8ページ