3学部新設をアピールする広告特集シリーズ

新学部の分野をテーマにした変化に富んだ内容を連載

 福祉にかかわる人材育成に力を注ぐ日本福祉大学。社会ニーズの広がりに対応しながら成長を続ける同大学では、2008年4月より新たに「子ども発達学部」「国際福祉開発学部」「健康科学部」を開設する。それにあたり、昨年12月、新学部の分野をテーマにした広告特集を計6回、シリーズ展開した。

子細に印象的にメッセージを発信

横井光久氏 横井光久氏

 「3学部の一挙新設というのはあまり例がなく、本学としても大きな改革。学部の内容をわかりやすく伝えながら、印象的なPRができないかと考えました」と、入学・広報部長の横井光久氏。その根底には、「単なる宣伝ではなく、学部開設の必要性や意義を“メッセージ”として、できるだけ詳しく伝えたい」との思いがあり、広告特集を主軸に、純広もそこからの自然な流れでメッセージが伝わるような構成にした。

 「新聞はメッセージ性が強く、社会全体にアピールできる媒体です。また、我々の考えをきちんと説明し、理解してもらうには、ある程度のボリューム感も必要なことから、広告特集というスタイルを選びました。新聞のなかでも、特に朝日新聞は教育に関する記事が多く、先生や保護者をはじめ、教育に関心の高い人々によく読まれています」

 表現のこだわりは、可能な限り学生を主役に置くこと。広告の制作過程で学びにかかわりのあるフィールドを実体験することにより、教育的にも成果があると考えた。また、広告に学生の生の姿を映し出すことで、通常の広告では表現できないものを読者に伝えられるのではとも考えた。

 実は今回の掲載は、新学部の認可が下りる時期を待ったために昨年12月になった。本来このタイミングだと学生募集の告知としては遅い。そこで、学部新設を一層強くアピールし、同時に大学の総合力を示す意図で、連続して掲載し、かつ変化に富んだ展開を選択した。

志願者数の増大に効果を実感

 12月6日朝刊は、朝日新聞が発行する初等教育の専門誌『AERA with KIDS』が行う小学校への聞き取り調査に学生を同行し、その体験についてアエラ編集者と語り合うという趣向にした。

 「『子ども発達学部』では、発達障害を含めた子どもや家族への支援を総合的に学びます。そういった課題をしばしば取り上げている『AERA with KIDS』はまさに本企画のベストパートナーであり、周囲の反響も大きく、表現するのが難しい学部の特色をうまく伝えることができました」

 「国際福祉開発学部」を告知する12月7日朝刊は、セントレア×JAL×日本福祉大学という異色の対談が広く評価された。福祉はボーダーレスであることを再認識し、空港側にも学生の意見は、新鮮なものと受け取っていただけたようだ。

 「従来の広告の枠を超え、チームでつくり上げた結果です」

 一転、「健康科学部」を告知する12月8日朝刊は、ユニバーサルデザインのまちづくりを学生の視点でレポート形式にまとめた。

 そして、同学部リハビリテーション学科を告知する12月16日朝刊は、対談スケジュールの都合により掲載が1週間後になったという事情があったが、

 「ラストがアカデミックな内容で締まり、かえって効果的でした。柔軟に対応することでよりいいものができるという好事例ですね。この影響もあったのか、リハビリテーション学科の前期入試実質倍率は16倍という数字になりました」。

 シリーズ全体の反響・効果も大きかった。掲載後、アクセス者が大幅に増加し、12月は前年比8割増、1月は4割増に。全体の一般学力入試志願者は約3,500人で、昨年より12%程の伸びを示した。志願者アンケートで、「日本福祉大学を知ったきっかけ」に「新聞広告」と答えた割合は前年比約5割増、「志望校決定の理由」に挙げた数は約8倍だった。

 「学部新設年度という特殊性を考慮してもなお、効果は明らかです。チャレンジ的な面もあったのですが、狙い通りの成果を得られ、さらにプラスアルファも大きく、結果は大成功と言えるでしょう」

 なお、学内での評価も高く、紙面を掲示することでインハウスコミュニケーションにも役立っているという。

 「『ふくし』という言葉は『しあわせ』という意味です。今後も本学では、すべての人を幸せにする“ふくし”に貢献できる人材育成を目指し、必要とされる学びの場を作っていきます。そこに込める思いをも伝えることができるこのような広告は、既存の学部に関するものも含め、掲載時期を考慮しながら継続していくつもりです」

 2007年12月6日付 朝刊(すべて名古屋本社版)
 2007年12月7日付 朝刊

2007年12月8日付 朝刊

 2007年12月9日付 朝刊
 2007年12月16日付 朝刊