思いをこめて伝えた受験生への応援メッセージ

 河合塾は、受験シーズンにあたる1月、2月に受験生を応援する新聞広告を展開した。進学事業本部 進学事業推進部 企画マーケティングチームチーフの須藤厚志氏に出稿の背景についてうかがった。

須藤厚志氏 須藤厚志氏

── 1月21日掲載の15段広告の狙いは。

 21日は朝刊にセンター試験の答えと配点が掲載される日でした。全国の受験生が自己採点のために新聞紙面に注目する日です。多くの予備校が募集広告を出すこの時期、あえて純粋な応援メッセージを送りました。思うような点が取れなかった受験生に、「自分の夢まで、自己採点しないでください。」と、声をかけてあげたかったのです。事実、多くの大学がセンター試験のほかに2次試験を実施し、合算値で合格者選抜を行います。今後の頑張り次第で希望の大学を目指すこともできるわけで、その可能性を「たとえ昨日は変えられなくても、明日なら変えられる。」とのコピーに込めました。

── 2月25日にも同じく15段広告を展開しました。

 この日は、全国の国公立大学の前期選抜試験当日でした。センター試験後の葛藤(かっとう)を乗り越えて、難関に立ち向かう受験生にエールを贈った広告です。「今日、東大を受験するキミを誇りに思う。」というコピーにある「東大」は「難関」を意味する象徴的なワードで、大学名をそれぞれに置き換えてもらえたら、と考えました。

── クリエーティブのポイントは。

 広告的な要素を排除し、コピーがダイレクトに届くようなクリエーティブを目指しました。コピーを書いたのは電通のコピーライターで、ご自身も河合塾に通っていたそうです。私たちが望む表現とうまく合致したのも、受験生の気持ちをよくわかってくださっていたからだと思います。

── 反響は。

 多くの方々から「励まされた」との意見をいただきました。2月の広告は多少言葉のインパクトが強いかなとの不安もありましたが、「離れた土地に受験に行った子どもにこの広告を重ねた」という保護者の声や、「大変意味の深いコピーで、生徒たちに紹介した」という高校の先生の声が届き、きちんと本意が伝わったことをうれしく思っています。

── 広告の成果と今後について。

 大事な時期に新聞広告で発信したメッセージは、受験生の心に大きく作用したと思います。河合塾は、大学合格は単なる通過点であり、重要なのはその先の人生を有意義に過ごし、社会の発展に寄与していくことだと考えています。難関に挑戦していく気持ちは、受験だけでなく、人生においても大切なこと。若者たちの挑戦を今後も応援し続けていきたいですね。

 1/21 朝刊
 2/25 朝刊