朝日新聞のグループメディアを活用し、多角的にキャンペーン情報を発信

 日本コカ・コーラのナチュラルミネラルウォーターブランド「い・ろ・は・す」は、「選ぶだけでエコになる社会」の実現を目指し、2020年9月28日から「ILOHAS eco ACTION!」キャンペーンを開始した。このキャンペーンの特徴は、業界の垣根を越えたコラボレーションによる取り組みであることだ。第1弾は「ユニクロ」とのコラボレーション企画。キャンペーン開始直後、朝日新聞朝刊に全15段の広告を掲載し、朝日新聞のウェブメディア「withnews」でのネイティブタイアップ広告と、朝日新聞デジタルのLINE公式アカウントでのDIGEST SPOT広告でも展開。朝日新聞の多様なメディアを活用し、新聞とウェブ媒体を連動させた多角的な情報発信を行った。このキャンペーンの背景や狙い、反響について日本コカ・コーラ マーケティング本部の川瀬保菜未氏に聞いた。

2020年9月29日い・ろ・は・す新聞広告

2020年9月29日付 朝刊863KB

ニュース性の高い取り組みだからこそ新聞媒体を活用

 「ILOHAS eco ACTION!」キャンペーンを始動した背景について川瀬氏は、次のように話す。「『い・ろ・は・す天然水』は発売当初から、リサイクルがしやすいように、しぼってつぶせる軽量のペットボトル容器を採用しています。また、2020年3月からは、『100%リサイクルペットボトル』に切り替え、昨年末にはボトルtoボトル(既存のボトルから新しいボトルをつくる)の取り組みが評価され、第21回グリーン購入大賞も受賞しました。10年以上かけて築き上げてきた『い・ろ・は・す』のエコのイメージを活用しながらも、今回は新たな切り口で伝えていこうと考えました」

 その背景にあるのが、環境への関心の高まりだ。ただ、エコに関心がある人でも、具体的に何をしたらいいか分からない――そんな人たちに向けて、気軽にエコ活動に参加できるように考えたのが、「選ぶだけでエコになる」という切り口である。つまり、ナチュラルミネラルウォーターを購入しようと思ったとき、「い・ろ・は・す天然水」を“選ぶだけ”で、エコ活動になる。なぜならば、100%リサイクルペットボトルを使用しているからだ。

い・ろ・は・す 天然水 「エコアクション ユニクロ」篇

 使用済みプラスチックも資源であり、ペットボトルもリサイクルできる。そんなエコに関する考え方や取り組みを知ってもらい、より多くの人に気軽に楽しみながらエコ活動にも参加してもらえるように、第1弾は「ユニクロ」とのコラボレーションを企画した。「ユニクロ」も、ペットボトルを資源ととらえて回収及び、資源の有効活用という理念が共通していることから、今回のコラボレーションが決まったという。

 キャンペーンは、「い・ろ・は・す天然水」を購入すると、リサイクルポリエステルで作られたユニクロのフリースなどが、抽選で10万人に当たるという内容だ。告知は、新聞広告をはじめ、テレビやウェブメディアでも展開した。全15段の新聞広告は、キャンペーン開始直後の2020年9月29日付の朝日新聞朝刊に掲載。消費者にとって馴染み深い企業である日本コカ・コーラとユニクロが「エコ」をテーマにコラボレーションすることは、ニュース性が高い。そのため、キャンペーンが開始直後に大々的に告知するメディアとして「新聞広告が適していると思った」と川瀬氏。表現については、インパクトを重視。ストレートにメッセージを伝えるために、シンプルな表現にこだわり、「い・ろ・は・す」のロゴマーク入りのフリースを着た女性の写真と「飲む、着る。それだけでエコになる。」というキャッチコピーのみで構成した。

 飲料と衣類のコラボレーションは、いい意味で違和感がある。その違和感がビジュアルからも伝わるように、「『い・ろ・は・す』らしさではなく、あえてユニクロさんの広告のトーンに合わせています。過去のユニクロさんの広告を見ながら、試行錯誤しました」(川瀬氏)

 今回のキャンペーンは、企画意図やユニクロとコラボレーションした理由など、伝えたい情報がたくさんあったという。新聞広告ではインパクトを重視したからこそ、キャンペーン内容を解説する「ひもとき」が必要だと考えていた。その解決策として活用したのが、朝日新聞のウェブメディアwithnewsでの情報発信だ。新聞広告の掲載と同日、キャンペーンの背景やエコ活動の現状などについて、日本コカ・コーラのマーケティング担当者のインタビュー記事を掲載した。さらに、その情報を朝日新聞デジタルのLINE公式アカウントでのDIGEST SPOT広告でも発信し、多くのリーチを獲得することができた。

朝日新聞を選んだ理由は、環境に関心の高い読者が多いから

 今回、朝日新聞を選んだ理由は、「環境への関心が高い読者が多いという調査結果があったから。まずは環境への関心が高い層にアプローチをして、そこから徐々に広げていくことを目標にしている」と川瀬氏。「い・ろ・は・す天然水」は、年代問わずオールターゲットの商品だが、今回のキャンペーンに関しては「30代以上でエコに関心がある方々」がメーンターゲット。そのターゲットと新聞の親和性も鑑みて、朝日新聞に掲載することに決めたという。

 キャンペーン広告の反響は、想定以上だったという。「弊社で行っている他ブランドのキャンペーンと比べても、反響がとても大きくて驚きました。SNSでのリアクションを追いかけていたのですが、フリースが当選した方は写真と一緒に喜びの声を発信してくれていることも多かったのが印象的です。あと、環境に関する自分の意見をつぶやいていた方もいて、エコに関するディスカッションの場にもなっていました。これは想定外のリアクションでしたが、エコに対する意識が変わり始めている、その兆しを感じることもできました」(川瀬氏)

 新聞広告を掲載して感じたメリットについて、川瀬氏はこう話す。「キャンペーン開始直後を指定してインパクトのある発信ができることは、あらためて新聞広告の魅力だと思いました。また新聞広告共通調査プラットフォームJ-MONITORの調査結果も出していただけるので、結果を振り返り、次の展開に活かすこともできます。今はコロナ禍で、家で過ごす時間が増えていることもあり、これまでよりも新聞メディアに接することが増えたかと思います。そんな中で、インパクトを与える広告を掲載することで、興味をひき、次のアクションにつなげることができた広告事例となりました」

 「ILOHAS eco ACTION!」は今後も継続していく計画だという。「このキャンペーンは続けることに意義があり、第1弾だけでは終わらせない意気込みで始まりました。第2弾を楽しみにしていてください」と川瀬氏は語った。