百聞は一見にしかず ビジネスランチョン@ロンドン

 11月にロンドンで開催された、英国の広告会社とのビジネスランチョンに出席し、旅行やインターネットを中心とした日本市場のトピックや特徴、新聞を使って広告を展開することの意義について、プレゼンテーションや意見交換を行った。

 突然だが、朝日新聞社が大英博物館とGlobal Partnership契約を結んでいることをご存じだろうか? 日頃、東京で勤務する私にとっても、この事実はほとんど意識の中になかった。なぜ、日本の新聞社がイギリスの博物館に協賛しているのだろうか。実は、この協賛は新聞を取り巻く日本独特の環境、しかも海外ではなかなか理解されにくい環境に大きく関係している。朝日新聞の部数は約800万部。しかし、いわゆる大衆紙や街頭で配られているフリーペーパーとは一線を画す「Quality Paper」と呼ばれる高級紙に分類される。ここで、海外の人は戸惑うかもしれない。「え? 800万部も発行しているのに高級紙?そんなわけが・・・・・・。」 そこで大英博物館の出番なのだ。「朝日新聞は、あの大英博物館のスポンサーでもあるのです」と。こうして、朝日新聞が社会的地位のある新聞社であることを身近な例をもって示すことができるのだ。

 そのほかにも、何となく知っていてもロンドンに行って初めて実感したことがたくさんあった。特に痛感したのは、広告業界関係者のインターネット、特にモバイル広告への関心の高さである。時に「ガラパゴス」と揶揄(やゆ)される日本とは異なり、ロンドンの街中を歩いているとほとんどの人がブラックベリーやiPhoneなどのスマートフォンを持っているのを見かけた。一方、日本のスマートフォン普及率は3%(2009年総務省調べ)で、まさにこれから普及が進んでいくところだという説明に対しては、スマートフォンのほかにもKindleやiPadなどのデバイスを使った広告展開、もしくは新たなデバイスへの参入について質問が多く投げかけられ、関心の高さがうかがえた。

 また、羽田の本格的な国際化をはじめとした日本の旅行市場に関するトピックや旅行者の半数以上がパッケージツアーを利用するなどの市場特性についてのプレゼンテーションにも関心が寄せられた。パッケージツアーの販売手段として新聞が利用されることに興味を持つ方もいて、一度に幅広い層へ一覧性をもって情報発信することができるからこそ、新聞紙面上での旅行商品のメディア販売広告が成立するということなど、日本にいると忘れがちな新聞の特性を改めて強く認識した。

 ビジネスランチョンでは前述の部数の多さと「Quality Paper」に関する話、99%以上という宅配率の高さ、アサヒ・コムの基本データの紹介に加え、2010年の日本新聞協会賞受賞などを例にジャーナリズムの質や、世界新聞・ニュース発行者協会(WAN-IFRA)において、カラー品質委員会で連続入賞した印刷技術など、媒体のスペックにとどまらず、朝日新聞の総合力を実績に基づいて訴えた。普段の営業現場では改めて強調することが少ない、自分たちのリソースとその価値を外部の目を通して実感できたのは、非常に貴重な経験だった。

(朝日新聞東京本社広告第4部 堀江和浩)