新聞広告のどこを見ているときに興味関心度は上昇するか?

 朝日新聞社では、ニューロマーケティングの手法を活用し、新聞広告の見られ方を検証する実験を開始した。(1)脳波測定、(2)アイトラッキング(視線計測)、(3)インタビューの3つの視点から、読者が普段どのように新聞広告に接しているかを確認するとともに、言葉や行動には表れない潜在的な意識を探った。ここでは、朝日新聞に掲載された自動車広告を題材に行った脳波測定とアイトラッキングの結果を動画で紹介する。

 今回の実験に協力いただいたのは、朝日新聞を購読する30~50代の男性12人。自動車広告を題材としたことから、自家用車オーナーで主に自分が運転する人、自動車の買い替えにある程度関心がある人を対象とした。対象者には、大日本印刷と慶應義塾大学・満倉靖恵准教授が共同開発したヘアバンドタイプの脳波計と、アイトラッキング用のゴーグルを装着してもらい、自動車メーカーの新聞広告10点(いずれも全15段)を順番に、それぞれ1分ずつ見てもらった。

 脳波計で測定したのは、額の左側、感覚野にあたる「Fp1」という部位。視覚による刺激を受けたときに感じる「もっと見たい、もっと知りたい」という欲求を「興味関心度」と定義し、0~100%の範囲で数値化した。また、対象広告を車体の写真や価格、コピー、ロゴマーク、出演タレントなどの要素別にエリア分けし、アイトラッキングによって各エリアの注視時間や視線の動きを計測した。

 以下に紹介する動画では、脳波と視線の動きを同時に把握できるようになっている。上のグラフでは興味関心度の推移を、左下の画像ではマーカーによって視線の動きを表示。どこから見始めてどの部分をじっくりと見たか、どのエリアを見ているときに興味関心度が上昇したか、といったところまで確認可能で、新聞広告のクリエーティブや訴求ポイントを考えるうえで、大きなヒントになるのではないだろうか。

※「自動車新聞広告ニューロ調査」の結果は、本サイト「マーケBOX」のコーナーでも発表していく予定です

「自動車新聞広告ニューロ調査」
「自動車新聞広告ニューロ調査」
<対象広告:BMW>

 <グラフの見方>
・上のグラフ:青い線は興味関心度(0~100%)の推移、黄色の縦棒は時間(0~60秒)の流れを表します。
・左下の動画:マーカーが視線の動きを表しています。
<興味関心度の定義>
「もっと見たい、もっと知りたい」という欲求を興味関心度と定義し、80%を超えたときを興味ありとしています。

《調査概要》
【調査期間】 2011年3月13日、20日、21日
【調査手法】 脳波測定およびアイトラッキング。自動車の新聞広告10種類を順に閲覧し、脳波(興味関心度)と目の動きを計測する。計測後にはインタビューを実施
【調査対象者】 1都3県に在住する30~50代の朝日新聞購読者12人。自家用車オーナーで主に自分が運転する人、自動車の買い替えにある程度関心がある人を対象とした
【実査】 大日本印刷