Data&Analysis

健康食品の広告コミュニケーションを考える

─ J-READのデータから ─
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機能性表示食品の出現で今後もますます成長が見込まれる健康食品市場。消費者にとっては選択肢が広がり、正確な情報を得る重要性が増しています。健康食品の広告コミュニケーションについて「全国新聞総合調査(J-READ)」データから探りました。

健康食品の情報源のトップはテレビCM

 消費者といかに有効な広告コミュニケーションを図るか。特に無店舗販売がメインの健康食品では、効果的なメディア選択が販売促進のカギを握っている。

 そこで本稿では、どのような広告媒体が健康食品の情報源として活用されているかを探り、新聞広告の位置づけについて考察した。

 J-READでは様々なジャンルの商品広告に対する関心の有無を尋ねている。表1は「健康食品・健康飲料」の広告に関心がある人の割合を性・年代別に集計した結果である。全体の4割近くが「健康食品・健康飲料」の広告に関心があり、男性より女性が高い。特に女性の40代以上の関心の高さがうかがえる。

J-READ2015

 さらに「健康食品・健康飲料」の情報を主にどんな広告媒体から得ているか(情報入手媒体)を尋ねた結果が図1である。「テレビ」が約7割と最も多く、「折り込みチラシ」「新聞」が続く。男女別に見ても、「テレビ」がトップだが、男性は20代~ 50代で「インターネット(PC・タブレット型情報端末)」の割合が「新聞」「折り込みチラシ」を上回っている。女性は10代・20代で「インターネット(携帯電話・PHS・スマートフォン)」の割合が「折り込みチラシ」より高く、30代以上では逆に「折り込みチラシ」の方が高い。「新聞」は、年齢が高くなるほど割合が高くなり、60代で男女とも5割を超えている。

※色網掛けは各年代のトップ2

J-READ2015

性・年代で異なる「商品を比較するため」の情報源

 図2はこれらの情報入手媒体とその「広告評価」の関係をコレスポンデンス分析という統計手法を使って分析した結果である。近くにある項目ほど相関が高い。図の右側で「テレビ」の近くに「新商品・サービスの発売を知る」「ふだんよく見聞きする」があり、「テレビ」が身近な認知媒体として評価されていることが分かる。

J-READ2015

 図の左側には「インターネット(PC・タブレット型情報端末)」「インターネット(携帯電話・PHS・スマートフォン)」「折り込みチラシ」が集まっていて、近くには「商品の品質性能を詳しく知る」「商品比較・選択の参考になる」「商品の価格がよくわかる」が位置している。

 図1より、「インターネット(PC・タブレット型情報端末)」が主に男性に、「インターネット(携帯電話・PHS・スマートフォン)」は男女とも若年層、「折り込みチラシ」が女性の高年齢層に活用されており、商品の性能や価格を比較検討するための媒体が性別や年代によってはっきりとすみ分けられている。

 「新聞」は「信頼できる」「企業に対する信頼感がわく」が近くに位置し、「健康食品・健康飲料」の広告においても新聞広告の信頼性が評価されている。

健康食品の新聞広告に適したクリエ-ティブとは

 最後に、新聞広告を見て健康食品の通販を申し込んだ人が、どんな広告表現を好むのか探った。

 J-READでは「CMなどの広告表現」についての意識を尋ねているが、「健康食品の通販を(この1年間に)申し込んだことがある」グループとそうでないグループ別に集計し、差が5ポイント以上ある項目が図3である。

<新聞購読者ベース> J-READ2015

 「大自然の映像CMに注目する」「専門家が紹介する商品は信用する」が10 ポイント以上の差がある。また、「利用者の声には説得力がある」「実験データで示す広告は信用できる」などで差が大きく、新聞広告を作る上で参考になりそうだ。「お笑い、ユーモアがもっとあってよい」は差がマイナスになっている。ユーモアがあるかどうかはあまり重要ではないようだ。

広告媒体を組み合わせて正確な情報を

 認知媒体としての「テレビCM」、商品を比較するための「折り込みチラシ」と「インターネット」、そして商品の信頼性を高める「新聞広告」と、それぞれのメディア特性が明らかになった。その中で「新聞広告」はその信頼性を生かした「専門家の意見」や「利用者の声」「実験データ」を用いたクリエーティブが有効なようだ。

 これらの広告媒体を上手に組み合わせ、消費者に的確に情報を提供することが、健康食品市場の成長を持続させるためには不可欠だ。

(朝日新聞東京本社 メディアビジネス局 マーケティング・ディレクター 真板 誠)


◆特集「広がる健康機能消費」はこちら

調査概要

■第15回全国新聞総合調査(J-READ2015)
調査地域: 全国47都道府県
調査対象: 満15~69歳の個人
抽出方法: RDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)で、調査対象者を抽出。
調査方法: 調査依頼への応諾者に後日郵送で調査票を送り、記入完了後、調査票を返送
有効回収数: 28,990
規正標本サイズ: 88,774(推計人口に対応。単位:千人)
調査時期:2016年1月31日(日)~ 2月6日(土)
調査主体: :ビデオリサーチ
※ J-READ2015の標本サイズ(n数)はすべて規正標本サイズです


◆PDFでもご覧いただけます
icon_pdf冊子『広告朝日』13号掲載 Data&Analysis(751KB)

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