情報を循環させることで企業と学生の絆(きずな)を密にする

 関西テレビ、TBSラジオ、朝日新聞といったマスメディアと、CGM型の就職サイト「みんなの就職活動日記」をクロスさせた新卒者向けのリクルーティング企画「注目企業特集」は今年で2回目になる。企画を担当した博報堂DYメディアパートナーズ「就活プロジェクトチーム」の中西秀保氏、眞口健司氏、佐藤将秀氏にうかがった。

「信頼性のメディア」が生活者との共感めざす

── リクルートコミュニケーションの現状は?

 企業は学生に伝えたいことがたくさんあっても、従来の発信の仕方では伝わらなくなってきています。特に、学生の認知度は低くても優良であるBtoB企業にとって、このことは大きな悩みです。現在、採用担当者は従来活用してきたメディアとともに、生活者が発信者となるCGMを用いて、学生の生の声を聞き、本当に求められる企業の情報を発信することが必要になってきています。

──この企画で意識したことは?

 特に、意識したのは、博報堂DYグループが開発した「エンゲージメント・リングTM」です。「toC(Consumer)」という一方的な情報発信から、「withC」という生活者との共有・共感をめざしました。

 具体的には、全メディア同じ内容の企業情報を掲載するのではなく、メディアと生活者の関係性を意識して、コンテンツにあったメディアの最適化を図りました。

 「個人の視点」の交換を可能にするCGM、起爆剤になるテレビ、社会規範を示す新聞など、それぞれに異なる情報の付加価値があり、どれも欠かすことができません。そして、その間を情報が循環することで、企業と学生の密なコミュニケーションができるのではないかと考えました。

── 新聞や新聞求人の役割は。

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 新聞は「信頼性のメディア」であり、自分が漠然と感じていたことが世の中の常識や流れとずれていないかを確認する機会を与えてくれる〝情報のお目付け役〟です。また、新聞から得た情報は、親から子どもに伝わるといった周囲を巻き込む力があります。BtoB企業にとっては内部へ採用活動を知らせるインナー効果も大きいでしょう。こうしたリーチの広がりや、社会に対するブランディング効果も新聞ならではのものです。

 いかに学生の心を動かすか。メディア環境が変化するなか、さらに多くの優良なBtoB企業の存在を、きちんと伝えていきたいと考えています。