COVER PICK-UP ART

 広告朝日23号「次代にツナグ新聞広告 ─ 平成の30年広告」のCOVER PICK-UP ARTはChim↑Pom エリイ氏の「道(street)」です。

広告朝日23号表紙

 公道から美術館へと続く道。これは、2017年9月30日から2018年2月25日まで台湾で開催された「アジア アート ビエンナーレ 2017」で、アーティスト集団「Chim↑Pom」が発表した「道」というインスタレーション作品だ。展示会場は、台湾の国立台湾美術館。「道」は、本物のアスファルトでつくられ、長さはおよそ200メートル。美術館内から庭を経て、公道へと繋(つな)がっている。

 道も国立美術館も、ルールはそれぞれ異なるが「パブリック」という共通点がある。公的な場所である「国立美術館」に新たな「道」を通すことで、パブリックとは何かを問う作品。

 Chim↑Pomは、「道」を第3のパブリックとして成立させるために、美術館と交渉して新たなレギュレーションを構築した。たとえば通常、美術館内ではいかなるデモも禁止だが、Chim↑Pomの「道」の上では許可された。飲食についても同様だ。Chim↑Pomのメンバー、エリイは、美術館との交渉について次のように話した。「ただのアスファルトの塊を本当の意味での自由な道にするためには、道を育てないといけない。そのために必要なことを美術館と交渉し、実現できることを増やしていきました」

 展示期間中には、道の上でパーティーが開催されたり、パフォーマンスが行われたり、グラフィティが描かれたり、道は育てられていったという。この「道」は作品として昇華させ、2018年11月22日から2019年1月26日まで、東京・天王洲アイルのギャラリーANOMALYで映像や模型からなるインスタレーションを展示した。

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クリエーターインタビュー
「道」を第3のパブリックに-アスファルトの塊をみんなで育てる Chim↑Pom エリイ氏