伝統的な生命保険会社から脱却し、国民の健康を応援する「健康応援企業」へ

 保険本来の機能(Insurance)に健康を応援する機能(Healthcare)を組み合わせた、従来にない新しい価値「Insurhealth®(インシュアヘルス)」というコンセプトを打ち出し、「健康応援企業」への変革を目指しているSOMPOひまわり生命。その背景や具体的な取り組みについて、取締役社長の大場康弘氏に聞いた。

SOMPOひまわり生命 取締役社長 大場康弘氏大場康弘氏

──健康増進型保険「インシュアヘルス」というコンセプトの背景について。

 生命保険は従来、自分や家族に「万が一」のことがあった時の備え、というイメージが強かったと思います。しかし近年は病気の予防や早期発見に関する様々なテクノロジーが開発され、万が一を可能な限りなくしていく機能を保険に付与することが可能になっています。「インシュアヘルス」は、保険の本来の機能(インシュアランス)と健康を応援する機能(ヘルスケア)を組み合わせた新しい保険のかたちで、従来の保険になかった明るく前向きなコンセプトです。2019年には「あなたが健康だと、だれかがうれしい。」というスローガンを掲げました。伝統的な生命保険会社から脱却し、国民の健康を応援する「健康応援企業」への変革を目指しています。


──「インシュアヘルス」の特徴について具体的に教えてください。

 インシュアヘルス商品の第⼀弾として発売された収⼊保障保険「じぶんと家族のお守り」は発売後8か⽉で加入件数が10万件を超え、今も多くのお客様からご⽀持をいただいています。その理由のひとつは、ご加⼊いただいた方が無料でご利⽤できる「健康チャレンジサポートサービス」です。禁煙⽅法のアドバイスや個別のご相談への対応、また、体重管理や⾷事記録をサポートするアプリがご利⽤になれるというものです。「じぶんと家族のお守り」が保険本来の機能の部分であり、「健康チャレンジサービス」が健康応援機能にあたります。この両輪が組み合わさっていることがインシュアヘルス商品の特徴です。

──新しいテクノロジーを活用した健康支援サービスを積極的に展開しています。

SOMPOひまわり生命 取締役社長 大場康弘氏

 国内外から集めた新しいテクノロジーを健康支援サービスとして提供しています。例えば、アメリカ・シリコンバレーの企業と認知機能低下リスクを早期発見し、認知機能の改善・維持を支援するアプリを共同で開発しました。他にも、イスラエルの企業と開発したスマホカメラでストレス度を測定するアプリ、スイスの企業と開発した健康状態を数値化するアプリなど、時代の変化とお客様の声に応える様々なサービスを展開しています。国内のヘルスケアベンチャーが開発した、がんの罹患(りかん)リスクを唾液(だえき)から測定する技術と保険を組み合わせた新たな商品の開発などにも取り組んでいます。

 万が一の時の安心・安全を保険で保障するだけでなく、テクノロジーを通じてお客様の毎日とつながり、健康リスクの予測・予防に貢献していきたいと考えています。

──健康経営の取り組みについて、お聞かせください。

 全社員にウェアラブル端末を無償貸与し、歩数や心拍数、消費カロリー、睡眠時間などを日々確認してもらうことで健康意識の向上を図っています。朝食の摂取率、適正体重の維持率、歩行習慣率についてはKPIを設定し、達成度合いのデータを蓄積していますが、いずれの数値も着実に上がっています。

 また、社内外で歩数対抗イベントを開催するなど、運動による健康増進を支援。全社員を対象に1泊2日のクアオルト(気候性地形療法)プログラムを実施し、自然の中をウォーキングしたり温泉でリフレッシュしたりできる時間を業務と認め、社員の健康支援に取り組んでいます。禁煙対策にも力を入れており、就業時間内禁煙、喫煙者向け個別サポート、新入社員の非喫煙者採用を実施しています。

──リーダーとしての信条は。

 リーダーの役割は、社員に夢や希望を与えること。社会に明るい未来を提示すること。私たちが手がけている生命保険は「人類最大の発明」と言われますが、新しい価値を創造するべく、テクノロジーを取り込むことで可能性を広げていきたいと思っています。

 私の座右の銘は、佐藤一斎の『言志四録』にある「一燈(とう)を提げて暗夜を行く 闇夜を憂うること勿(なか)れ 只(た)だ一燈を頼め」。自分の一燈(理想)を信じて、「健康応援企業」への変革を目指していきます。

──愛読書は。

SOMPOひまわり生命 取締役社長 大場康弘氏

 柳井正氏の著書『経営者になるためのノート』は心に響くものがあり、書き込んで自己評価の指針としています。大学時代に愛読した作家は、藤原新也氏。中でも『印度放浪』は「豊かさとは?」というテーゼを投げかけられた気がして衝撃を受けました。ここ10数年に読んだエッセーのなかでベストワンだと思う立川談春さんの『赤めだか』、大学時代に喜劇映画の虜になるきっかけとなった小林信彦氏の『日本の喜劇人』、50歳を過ぎて再読し魅せられた夏目漱石の『三四郎』も、何度も読み返している本です。読書は新たな視座を与えてくれると同時に、眠っていた自分を発見する機会を与えてくれます。

大場康弘(おおば・やすひろ)

SOMPOひまわり生命 取締役社長

1965年鹿児島県生まれ。88年慶應義塾大学商学部卒。同年安田火災海上保険(現・損害保険ジャパン)入社。2014年NKSJひまわり生命(現・SOMPOひまわり生命)取締役執行役員などを経て18年4月から現職。

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(全国版掲載。各本社版で、日付が異なる場合があります)

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