本記事では、新型コロナウイルス感染拡大に伴う最初の緊急事態宣言発出直前の〝2020年1月時点〟と、マスク着用など国が一律に日常における基本的感染対策を求めていない〝今年2024年1月時点〟の調査データを比較することで、〝beforeコロナ期〟 および〝withコロナ期〟における元日新聞の印象・接触態度の変化を確認したいと思います。
元日の新聞は別刷りまでしっかり読まれている
元日の新聞がどう読まれたか、2020年1月時のスコアと比較したところ、「元日の新聞は華やかだ」のそう思う・計(そう思う+ややそう思う)が 87.8%と最も高くなりました。「元日の新聞を読むのは楽しい」77.0%、「元日の新聞は読みごたえがある」75.9%は、4年前と比べて共に6.9ポイントも上昇しています。
別刷り特集の感想についても、すべての項目で2020年のスコアを超えました。「テレビ番組特集の別刷りは便利だ」のそう思う・計が81.2%、次いで「別刷り特集には出来るだけ目を通す」78.9%、「別刷り特集は読みごたえがある」76.9%と続きます。
元日の新聞は、本紙だけでなく、別刷りまでしっかり読まれていることがわかります。本紙、別刷り特集とも、すべての評価項目でスコアアップの傾向が見られました。
ブランドリフト効果につながる新聞広告
元日の新聞に掲載されている広告や企業のイメージについて聞いたところ、企業については「信頼できる」のあてはまる・計(「あてはまる」+「ややあてはまる」)が 83.0%と最も高いスコアとなりました。続いて「企業の思いが伝わる」80.4%、「一流の」78.4%の順で高い結果となりました。
また、元日の新聞に掲載されている広告のイメージについては、「企業の理念や取り組みを知るきっかけとなる」が 77.3%と最も高いスコアとなり、次いで「既知の企業にあらためて注目するきっかけとなる」が 76.6%、「企業への興味・関心が高まるきっかけとなる」が 76.3%と、企業に対する興味・関心や理解につながっており、元日の新聞広告にはブランドリフト効果が期待できます。
元日の新聞に掲載されている広告に対する行動について聞いたところ、「出版物の新聞広告を見て、その出版物(電子出版含む)に興味を持った」60.9%、「映画の新聞広告を見て、映画館(動画配信サービスを含む)に見に行きたいと思った(見に行った)」52.4%は、2020年時から10ポイント以上も伸びる結果となりました。
(注)コロナ禍による外出制限、巣ごもり需要により、出版物は「電子出版」、映画は「動画配信」の商品・サービスが増えたため、2021年時の設問より上記表示を追記しました。
これまで、コロナ禍を経た元日の新聞の印象・接触態度の変化を見てきましたが、メディアや情報に対する生活者の意識変化によるものか、すべての項目でスコアが向上していることがわかります。
元日の新聞広告は、企業に対する興味・関心や理解促進につながっており、ブランドリフト効果と同時に、興味・関心や購入意向へ心理変容を促す効果があるのではないでしょうか。
- 調査対象者: 調査対象地域に居住し、当該新聞を購読する15歳~69歳の男女個人
- 調査エリア: 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉) 近畿圏(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山) 中京圏(愛知・岐阜・三重) 北海道、宮城県、新潟県、長野県、広島県、福岡県
- 抽出方法: 新聞広告及びインターネット調査モニターパネルからの公募。応募者を各J-READ及び ACR/ex(※)の当該地域・対象者の性×年齢・職業・家族人数等の属性に従い割付
- 調査方法: パソコン・スマートフォンを利用したウェブ調査
- 調査実施機関・レターヘッド: 株式会社ビデオリサーチ
- 回答者数: 5,245人
- 実査日: 2024年1月1日~1月8日
2020年実査の調査エリアは、上記に静岡県、岡山県が加わる。回答者数5,874人。実査日:2020年1月2日~1月7日
※J-READ(全国新聞総合調査):(株)ビデオリサーチが年1 回全国47 都道府県で主要新聞(約110 紙)の閲読状況などを測定する単媒体調査
ACR/ex :同社が主要7地区で毎年実施している、生活者の「意識」「商品」「メディア関与」などを網羅的に調査